偽Perfume

花粉症の薬選び

ドラッグストアの売り場にあるお薬は、お医者さんに処方箋を書いてもらう医療用のお薬と違って、基本的にはお客さん一人ひとりが自分で考えて選ぶものです。

自分で選ぶのがドラッグストア

法律の関係で、調剤をやってないドラッグストアにも薬剤師や登録販売といった資格保持者が営業時間には必ず最低一人はいるようになっていますが、彼らは皆さんにアドバイスこそすれ、これを使いなさいと指示を出す立場にはありません。

そう、自分で考えて選ぶのが基本なのです!

そこで、理系の大学生をやりつつドラッグストアでバイト中の僕が、ドラッグストアでのお薬選びを中心に自分で選ぶ際のヒントを書いていこうと思います。

あくまでご自分で考えるときの参考に過ぎないことをご確認の上で読んでみてください(^-^)

花粉症対策の分類

そんなわけで、今回は先週頃からどっと出始めた花粉症の対策です!

花粉症はお医者さんを通して薬をもらったり、あえてアレルギーの原因となる物質に晒したりする特殊な治療を試みたり、自己判断の範疇を超える場合もあります。

でも何と言ってもドラッグストアでサクッと市販薬を買う方が時間も節約になりますしお手軽です。

花粉症のお薬はメインで配合されている成分によって三つに分けられます。
それぞれ目的が異なるので、分かりやすく目的メインに分類してみます。

  1. 症状がひどい
  2. 症状はまだ穏やかだけど絶対ひどくなる
  3. 何がなんでも眠気が困る

以上の三本立てでお送りします(^-^)

1.症状がひどいとき

第一世代抗ヒスタミン薬を選びます。

成分としてはマレイン酸クロルフェニラミンが一般的です!
医療用だとポララミンというものですが、市販薬でもバンバン使われています。

もう症状が出てて、それを押さえるためにぴったりなのがこのタイプです。
今しんどいならこのタイプを選びましょう!

抗ヒスタミン剤とは

抗ヒスタミン剤は、その名の通りヒスタミンの邪魔をするお薬です。

花粉症のプロセスを、花粉接触から順に段階別にしていったとします。

プロセス1は花粉接触、プロセス2はそれに対する生体内の反応、などといったようにナンバリングしていくとします。

そして、目のかゆみや鼻水、くしゃみなど外に現れる症状をプロセスnと便宜的におくと、体内でのヒスタミンの分泌はプロセス(n-2)、ヒスタミンが身体のどこかに作用するのはプロセス(n-1)に該当するのです。

抗ヒスタミン剤はプロセス(n-1)をブロックします。

これに分類される商品は第一世代抗ヒスタミン以外にさまざまな花粉症の症状を抑える成分を複合的に配合していますので、いろんな症状に対応してくれると思います。

有名どころだと飲み薬ではパブロンS、ストナリニSなどなど。この時期には価格も安くなって入口に山積みになっているかと思います。

もちろんPBでも全然問題ないです。眠くなる可能性が高いというデメリットも変わりありません。

ひどい鼻づまりには

この分類の中でちょっと毛色の異なるものを紹介します。

特に鼻づまりがひどくて寝れない!とかいう場合、コルゲン鼻炎ジェルカプセル(コルゲンは他にもシリーズがあるので、成分で区別してください!)がいいかもしれません。

中身が液状なので吸収が良さそうなのと、鼻づまりに効く血管収縮作用を持つフェニレフリンが普通の鼻炎薬より増量して入っています。

口の中が乾きにくいもの

もう一つは、アネトンアルメディ鼻炎錠です。アネトンは第一世代抗ヒスタミン剤メイン鼻炎薬のデメリットに対処したものです。

このタイプにはデメリットが主に3つあります。

一つは上でも言及した眠気。
抗ヒスタミンの眠気作用はあの「ドリエル」と同類ですから、ドリエルが効く人にはかなり眠くなる可能性が高いですし、逆に第一世代の抗ヒスタミンで眠気が強くでる人はドリエルで睡眠改善される可能性が高いでしょう。

ふたつ目のデメリット、それは口の中が乾くことです。
これは第一世代抗ヒスタミン薬配合の鼻炎薬にかなりの頻度で含まれる「ベラドンナ」あるいは「ダツラ(チョウセンアサガオ)」などの抗コリン作用によります。

「抗コリン」は、身体を緊張状態にもっていきます。

身体が緊張するとどういう変化が起きるかは人それぞれですが、抗コリン剤による緊張では「口の渇き」が出やすいそうです。

緊張すると口がカラカラするなんてよく言いますが、要するにあれみたいな感じです。

また、瞳孔が開くために目がちかちかするなんていうこともあるみたいです。そのため抗コリンも運転は止めるべしと注意書きされます。

このデメリットに対処した商品がアネトンです。

アネトンにはベラドンナやダツラは入っていず、代わりに他の生薬が配合されていてパッケージにも「口の中が渇きにくい」と書かれていますよ!

ただ、第一世代抗ヒスタミン剤にも抗コリンに似た作用があるため、あくまで他に比べて「渇きにくい」に過ぎないんだと認識しておいた方がよいと思われます(^ー^;

三つ目のデメリット

三つ目のデメリットは、連用してると使用中止時にリバウンドしてしまうことがあることです。

これは主に血管収縮薬が起こしやすいそうで、コルゲンのフェニレフリンもそうですが一番良く配合されているのはパブロンSにも入っているプソイドエフェドリンでしょう。

およそ2週間を超えて使うと、やめたとき結構しんどくなることがあるそうです。

なので、使用は一時的にとどめた方が無難かもしれませんね。

2.症状はまだ穏やか

第2世代抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬配合を選びます。

成分名としては「ケトチフェン」や「アゼラスチン」、「メキタジン」、「クロモグリク酸」商品名としてはザジテン、パブロンz、スカイナーAL(旧ハイガード)、金のアルガード、そしてエージーシリーズです。

第二世代というからには第一世代より良くなっていると考えるのが普通ですが、この第二世代はそもそも使用目的が第一世代と異なるので注意が必要です。

これらは「抗アレルギー薬」などとも呼ばれ、花粉症のプロセスでいうとプロセス(n-2)以前を主にブロックするようです。

ですから、まだヒスタミンがそこまで出てないようなタイミングで使うべきです。

ひと言で言うなら、予防用ということになるでしょう。

うちの店でもこのタイプのお薬には「予防用」なんてポップが付けられてます。

花粉が出だす前から花粉の期間中ずっと使った方がよいみたいです。

かなり大変な感じがしますが、そうすることでひどい花粉症も改善されるとか‥

第二世代は第一世代と違って、基本的に一種類のお薬しか入っていません。

これは、第二世代がプロセス(n-1)だけでなく、(n-2)以前にも作用することで症状を根本から改善することに関係しているように思います。

ただし、メキタジンやクロモグリク酸は抗ヒスタミン作用がないようで、これらを配合した金のアルガード、エージーシリーズには第一世代の抗ヒスタミン(クロルフェニラミン)が通常より低容量で入ってるので店頭でご確認ください!

第二世代の抗ヒスタミン剤は第一世代に比べて眠気や抗コリン作用(口の渇きや目のちかちか)が出にくいそうです(あくまで出にくい、なので人によっては眠くもなれば口も渇くということだと思います)。

第二世代は第一世代メインのタイプが抱えるデメリットをほとんど解決してしまっているように見えますね。

じゃあとりあえず第二世代を買えばいいのかというと、これはあくまで予防用です。
既に症状が辛い場合向けではありません。

ところが、売り場に行くとこのタイプがきらびやかに宣伝されていて、しかも値段が第一世代メインのタイプより高価ですので、しんどそうな方がこのタイプに飛びつく様子を頻繁に見ます。

しかも困ったことに、例えばザジテンのポップには予防用なんて文言はなくて、とにかくよく効きます、お医者さんで出るのと一緒ですみたいなことが書かれていたりします。

ちなみにお医者さんも使っているという南江堂の「今日の治療薬」には既に出てる症状には「クロルフェニラミン」などがよいとありますから、この記事の分類通りに選ぶ方が無難だと思います。

3.何がなんでも眠気が困る

漢方薬の小青龍湯(しょうせいりゅうとう)を選びます。

残念ながら僕はこれがどのようなプロセスで作用するのか、調べてもよく分かりませんでした(^-^;

そもそも漢方では人体や疾病の解釈自体がサイエンスと異なるようです。

「青龍」とはあの四神の一翼を担う青龍のことみたいです(なんてすごい名前!)。
「湯」は煎じ薬のことで葛根湯も本来は薬草を煮詰めてその煮汁を飲むのが正統な服用法みたいです。

現代の小青龍湯は錠剤と顆粒があり、さらさらな鼻水が止まらないときに効果的だとか。
お医者さんでも眠たくならないお薬を頼むとこれが出されるようです(ただし医療用では市販されてないクラリチン、アレグラという第2世代で全然眠気が出ないタイプもあります)。

漢方では本来体質や症状の考え方が全然違って、しっかりと診断した上でお薬を処方するそうなので、自己判断で服用しても効果が出にくいことがあるかもしれません。ちなみに、風邪薬のコーナーに置いてあったりする場合もありますが、鼻炎コーナーにあるものと中身は同じです。

ただ、葛根湯なんかは自己判断で使っても結構効いちゃったりするので何とも言いがたいです‥

終わりに

結局なんかあやふやな感じになってしまいましたが、よかったら是非参考にしてみて下さい。
薬はいずれにしろ体にとっては異物ですから、用法用量を守って、何か気になることはすぐに近所の薬局などに問い合わせることが大事です(結局医者行けって言われる可能性大ですが(^-^;)。

ちなみに僕自身は今まで一度も花粉症になったことがないので、使用感については何も言えないのが残念です‥!!

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