アンコール3曲披露という大サービスを経て、いよいよ残すはサプライズのみ。
サプライズ1. 特製ムービー
最後の曲、願いが終わり照明が落ちたままの状態で、突如スクリーンに2005.7の日付表示が。
どこかのライブの終わりみたいなシーンで、あ〜ちゃんがメジャーデビューが決まったことを告げていました。
三人は驚いて、下の方を見ていたのでそっちにモニターがあったのでしょう。
映像の中の三人は明るく無邪気にメジャーデビューを喜んでました。
『9月21日!メジャーデビュー決まりました!』
そして流れる、微かなカオリ。
微かなカオリ
Perfume
2011/11/30 ¥250
この段階で僕はもう目頭が熱くなってしまって、サプライズは聞いていたけどこれは聞いてないぞ、と思いました。
スクリーンには年次とともに三人がお客さんと握手したり、会場に向かう前にピースしたり、1位ゲットを祝うケーキやらどんどん増えていく観客と大きくなる会場やら…
そんな映像が次々に映し出されていきました。
最初の内はあ〜ちゃんが、若い!とかコメントしていましたが、次第に涙ぐんでいくのが分かりました。
いつも、みんな楽しんでやってきたんだなあということがよく分かる素晴らしい編集に会場のみんなも涙なしには見られない映像でした。
年次が2010、2011と上がって行くにつれて、アメリカ、アジア、ヨーロッパと世界へ飛び出していくなど、これまで常に挑戦続きだったことが分かりました。
そして、ライブ映像では三人の姿ともに、ステージから見える観客の姿が何度も写されました。
そして、2014
ついに2014と表示がされると、なんと数日前からライブをしている代々木体育館が映し出されました。
Cling Clingの衣装に身をつつみ、始まり前の気合い入れをするシーンまで、最新の映像です。
この会場でのライブシーンが映され、レーザー飛び交う中で手を振るみんな。
ついにその映像も終わって画面が真っ暗になり、英字がキラキラした装飾をまとって浮き上がりました。
『congratulations!』
熱烈な、それはそれは熱烈な拍手が巻き起こりました。
三人は深々と頭を下げて、泣きじゃくっているようでした。
サプライズ2. コレオグラフィ
すると。
ついにスクリーンに、「Stand by」の文字が映されました。
轟く拍手は一瞬で鳴り止み、各自着席して色つきパネルを用意しました。
あ〜ちゃんが、「なにこれ?」とまだ泣いた状態で呟いていました。
しばらくして表示が「GO!」に変わり、みんな一斉に自分のパネルを掲げました。
こちらからは向かいのスタンド席の表示がきれいに見えました。
見事に、欠けるところなしにそろって見えました。
サプライズに感涙、10年目のPerfumeライブ – 音楽ナタリー.
ややあって、今目の前で展開されている事態の意味を理解したらしき三人は、北側ステージから解読を試みていました。
そして、『10年目!!THANKS!!』『9月21日 2005→2014』『We Love Perfume』、全部読み取ってくれました(thanksが難しそうでしたがわりとすぐに分かってもらえたようでした)
スクリーンの文字が「OK!」に変わり、僕たちはパネルをおろしてまた立ち上がりました。
あ〜ちゃんだけでなく、かしゆかとのっちも泣き声になって頭を下げて感謝してくれました。
Perfumeの武器は王者の剣
10年間の映像が笑顔にあふれていたのがすごく印象的でした。
だって、笑っていられないようなことも沢山あったに違いないのに、そこには嘘や虚勢じゃない、ほんとに楽しんでいるような笑顔があふれていたのです。
でも、あ〜ちゃんが一つ僕たちに真実を教えてくれました。
トゥウィンクルの衣装について、あれを着てライブしたときに全然お客さんがいなくて、本当はとても悲しかったとあ〜ちゃんは暴露したのです。
でも、悲しい顔をしていたら、スタッフの人やマネージャーさんはもっと悲しいだろうし、集まってくれたちょっとのお客さんとだけでも笑っていられるようにしよう、と笑顔でいようとしていたそうです。
そういうときに作り笑顔をしたって、見ている人やビデオには嘘がバレバレに映ってしまうことも、その後学んだことと思います。
心では悲しくても笑顔でいようとするならば、本気で楽しむしかなかったはずです。
そうやって、お客さんが全然居なくても、いつでも全力投球する習慣がついていったのだと思います。
だから今日のライブはあんなにも素晴らしく、あったかい思いに包まれたものになったのでしょう。
最初期のPerfumeが唯一持っていたこの武器は、今や王者の剣と呼ぶにふさわしいものへと成長していました。
世界に向けての思い
顔を上げたPerfumeの三人。
かしゆか、のっちはみんなとこの日を祝えたこと、そして変わらぬ三人でこの日を迎えられたことの幸せを喜んでいました。
そしてあ〜ちゃん。
これから世界に飛び出していく中で、日本の良さを伝えたい、日本が好きだから、と、たしかに言っていました。
恐らくはこれこそが元々サプライズ無しでの幕引きに伝えるつもりだったメッセージなのだと思います。
もう、彼女たちは先を見すえているはず。
世界に飛び出すに当たって、改めて日本が好きだと宣言したところに僕は大きな期待を持ちました。
Perfumeが背負っている日本らしさは、実はまだ明確にはされていない気がします。
Spendingが出たときに、海外を意識しすぎて日本らしさがない、という批判がなされました。
当初全部英語歌詞だったということもあって、その批判には一定の説得力がありました。
でも今Spendingを聞くと、あんなにも哀愁漂う情緒的な曲もないのではないでしょうか。
僕はあの歌を聞いていて何度も泣きそうになりました。
たしかにこのPVであったり、壮麗なプロジェクションマッピング込みのアートとして完成された姿を見ているからという側面は確実にあります。
でも、Perfumeがやることによってあの一見無味乾燥に聞こえる曲になにがしかの日本らしさ、情趣のようなものが込められたとするのなら、それはそれは面白いマジックだと思います。
着物でもちょんまげでもTOYOTAでもミクでもない、そんな表層的な何かでない日本らしさを、きっとPerfumeは世界に伝えることが出来ると思います。
ま、チームみんな日本人なんだし当たり前っちゃ当たり前ですけど(^-^;
もう既に始動している世界進出の先で、Perfumeが何を見せて何を勝ち取ってくるのか、今から目が離せません。
フィナーレ
10年前にはこんなにまでPerfumeが大きくなってるなんて思わなかった、とあ〜ちゃん。
それは5年前だって同じ、と言っていました。
案の上といいますか、Perfumeはお客さんが全然居なかったときと、たぶん根っこの精神構造上は変わっていないようです。
ひたすら、目の前のお客さんたちとその場を楽しむ。極限まで。
その繰り返しでここまで来たようです。
もう既に次のライブが楽しみでたまりません(諸事情によりワールドツアー3には参加できないのが残念です)。
笑顔の再会を誓ってくれたあ〜ちゃんに、僕なりにありがとう以上の言葉を伝えます。
「遠い星で生まれたとしても、同じようにきっと君を探す」
Cling Clingの、パクリ笑
あ〜、Perfumeめちゃくちゃ良かったなぁ!
初体験のPerfume、大満足のライブでした!!!
三人が去ってからもしばらく妻は泣き止まなくて何度もありがとうと言ってくれました。
僕も余韻に浸りながら、この熱く素晴らしい会場をしばし眺めていました。
ライブレポは以上です。
でも、Perfume dayで見てないものがまだあるので、エピローグがあと1回分だけ続きます。