電車広告とかで、鬱陶しくてたまらない。お金に関する本の広告。
いわゆるビジネス書というやつです。書いた人が儲けること以外に特に目的がない、クソみたいな本。
今回僕が紹介したいマリーズ・コンデ『生命の樹』においては、お金が何も解決しません。主人公の曽祖父は早い時期に収入的な大成功を収めて大金持ちになりますが、本人もその子たち一族も、全然幸せになれないどころか、ずっとずっと苦しみ続けます。
今年見送りになったノーベル文学賞の、代わりの賞として開催されたニューアカデミー賞を受賞した作家です。
ただし、お金のせいで、というわけでもありません。
一族がなぜ苦しみ続けるのか?それは、地球が分断されているから?あるいは、人間が生まれ持った習性ゆえ?
僕はまだ読み解くには至っていませんが…
ともあれ、お金さえ儲けられたらなんでもオッケーみたいな昨今のビジネス書界ののん気で非現実的な見方を強烈にぶっ飛ばしてくれるのは確か。
2018年諸事情により発表が延期となったノーベル文学賞の代替の賞として急造されたニューアカデミー賞受賞作家による、悲哀の物語です。