最初に言っておきますが最近見た夢です(^-^;
Perfumeと食堂
学生が部活の合宿で使ったりするような宿泊施設(従って内装は簡素)にある比較的大きな食堂。
そこの奥の角にあるテーブルで、僕とかしゆかは食事をしていた。
ちょっと離れたところにはのっちが、ポータブルゲーム片手に食事をしていて、あーちゃんは別の部屋でスタッフとミーティングしているということだった。
だだっ広いその空間に人はまばらであり、かしゆかものっちも特に顔を隠すことなく堂々としていた。
食事はビュッフェ形式だったので、時々僕とかしゆかは立ち上がって思い思いの料理を皿に載せた。
席に戻る途中、何度かかしゆかの後ろを間近に通る機会もあった。
そんなときは微かなカオリがしそうで、ばれないようにくんくんしてみた。
が、意外にも全く何の匂いもしなかった。
そばに見るかしゆか
悠然としたその後ろ姿だけで、どれだけ破壊力があるだろう。
僕はいつしか、かしゆかの後ろで呆然と立ち止まってその姿に見入ってしまっていた。黒髪のツヤが半端なくまぶしかった。
かしゆかがいきなり振り向いて、
「なんかついてる?」と笑った。
僕は慌てて、「ごめん、なんでもない」と言って、席に着いた。
糸くずが付いていたとかウソついて、髪に触れれば良かった—————
なんて思っちゃだめだ。彼女に嘘を付くなんて、かしゆかに心からの敬意を抱いている僕の信条に反する。できるはずもなかった。
余裕ののっち
僕たちは、新曲スパイスの衣装について話していた。
原色使いはマティスを思い出す・・・なんてことを言っていたと思う。
“Matisse-The-Dessert-Harmony-in-Red-Henri-1908-fast“. Via Wikipedia.
そういえば、津波の被害を受けた女性が、巨木の倒れる青空の下でGAMEを踊る動画があったね、なんてことも話した。
かしゆかは頷いてはくれた。
僕は話題を変えた。
のっちにも聞こえるように、
「それにしても、二人とも有名人なのにこんなところにいていいの?」と言った。
のっちはちょっとこっちを向いて、くだらないことだって言わんばかりに鼻で笑って再びゲームに没頭した。
かしゆかは、あーちゃんまだかなぁとデザートのサクランボを指先でいじっていた(その指先の動きについてだけで、一冊の詩集が出来そうだと思えたほどの美しさだった)。
所詮パンピー
———かしゆかに会うことが出来たら、話したいことはたくさんある。
そう思っていたことを思い出す。
彼女を喜ばせ、僕を特別と認識してもらえるはずという下心もあった。
でも今、かしゆか(と、のっち)を前にして、僕はふつうの、ただの一般人でしかないことを認めざるを得ない。
すぐ隣に居るはずのかしゆかが、パソコンのディスプレイ越しにみたときよりもずっと遠くに感じられてしょうがない・・・
かけがえのない時間
かしゆかは時々前髪の毛先が気になるみたいで、唇をアヒルみたいにして前髪を見上げる仕草をしていた。
そしてかしゆかは、Perfumeか何かの曲を口ずさみながら、肩を揺らして軽めに踊った。
僕がそれって○○だっけ?と聞くと、大抵はハズレた。
答えを聞いても、僕はその曲と踊りをどうしても思い出せなかった。
かしゆかは怒ったりしなかったが、まだまだ甘いね~と唇をとがらせていた。
こんなことなら一つくらい踊りを覚えたら良かっただろうか?
————いや、そんなことに意味はない。
僕にダンスが無いことが問題なのではなく、何もないことが問題なのだ。
タッパーが減らない
だんだん僕たちは口数が少なくなり、のっちが時々出す「っしゃ!」とかいう声に二人でおもしろがるだけになっていった。
そのとき、あーちゃんの代理人が食堂に入ってきた。
そして僕を見て、
「ちょうど良かった、これを梱包してください。」
と言って、段ボール5箱分くらいのタッパーを広げた。一部フタが外れていた。
かしゆかは立ち上がった。
タッパーがあまりにありすぎて、雪崩を打ってかしゆかの席に押し寄せたからだ。
僕はタッパーの波を抑えて、かしゆかに言った。
「後はやっておくから、先に行ってて」
先に?
いや、ここで別れたら、後で僕がかしゆかと合流することはない。
だから、これは別れを意味する言葉だった。
僕はせめてもの抵抗として、名残惜しさを残さない言葉を選んだのだった。
だが、かしゆかは、食堂から出て行かなかった。
のっちの隣に座って、食事を続けた。
最後の願い
待ってくれている?!
僕の中で嬉しさと、ただ単にのっちの近くに移動しただけという思いがせめぎ合った。
それに、そんなことより今はこのタッパーを梱包することに専念すべきだったのだ。
しかし、くるめどもくるめども、タッパーは無くならない。
急ぐがゆえのミスも増えた。
次第にのっちがあくびをし出して、ゲームに飽きた様子が感じられた。
のっちが退室したら、かしゆかも一緒に帰るだろう。
それまでに、僕はタッパーを詰め終わって、そして最後のチャンスにかしゆかにお願いしたいことがあった。
「写真を一緒に撮ってもいいですか」
僕はこの出会いを忘れたくなかった。
形に残したかった。
でも、終わらないタッパー詰めをする中で段々これを終わらせることが不可能だということが分かってきた。
決断
どうしようもない。
それに。
ここで撮ってもらう写真に、何の意味があるだろう?
形に残すことに何の意味があるだろう?
かしゆかにお願いするだけの何もない自分を、愛するかしゆかと並べた写真に自分は何を求めるんだろう?
彼女はアイドルだから、きっと快く応じてくれるだろう。
しかしそれは僕がなにがしかであることを意味しない。
僕は散々迷ったあげくに決めた。
「かしゆか、のっち。」
その日、面と向かって名前を呼ぶのは初めてだったかもしれない。
二人は振り向いた。
なぜかのっちの表情が優しくて温かかった。
「あーちゃんに、挨拶出来なくてすいませんって伝えて。
二人も次仕事あるよね、楽しみにしてるから頑張って」
次の瞬間、僕は一人で狭いキッチンにいてタッパーではなく生ゴミの片付けをしていた。
こっちもタッパーみたいに、やってもやっても終わりそうになかった。
夢の中で
もう二度と、のっちやかしゆかには会うことは出来ない気がして泣けてきた。
そんなときどこかから(おそらくはキッチンと壁一つ隔てた向こうの、外から)音楽が聞こえてきた。
あ〜ちゃんがかけてくれたのかな。これはPerfumeの新曲だ。
聞いてて胸が熱くなってきた。
泣くのはばかばかしい。
僕がなんであろうと。いや、なんでもないただの一般人であろうと。
ふたりに、僕は接近した。同じ空間で息をして話をした。
それは誇るべきことだったし、感謝すべきことであって、恥じるようなことではまったくなかった。
確かに、僕はPerfumeと並ぶのにふさわしくない自分に対しては、恥じらいを感じた
でも、その恥が強固なものだったとしても、その恥ずかしさを貫通してPerfumeは触れ合ってくれた。
なぜ?想いが、届いたからでは?ぼくが、Perfumeを好きで、尊敬していて。
並ぶのを恥じるなら、それをバネに戦えと言われている気がした。
遙か彼方にいるPerfumeが、拒否はしていない。距離は果てしないが、届きようも無いが、それでもPerfumeは笑ってくれる。歌を歌ってくれる。それを見ることも、聞くことも、追うことも、Perfumeは拒否していない。
立ち上がるのに必要なものを、僕は受け取ったのかもしれない。それをわざわざ届けるために、夢に出てきてくれたのかも?
今いる場所がどこであろうと。自分が何者であったとしても。なかったとしても。何であれ、関係なく・・・
あがいて。戦って
私たちは、歌っている。見て、聞いて。同じ場所にはいられなくても、もっと近くには感じられるかもしれない。
まるで映画の演出みたいに、外から微かに聞こえていた音が高まった。
多分これは‥約束の歌。
Perfumeからのプレゼント。GLITTERだった。
目覚めてから
以下覚醒後コメント。
Perfumeのダンスコンテスト(課題曲がGlitterでした)すっごい面白かったです。
あーちゃんに「やっと会えましたね」と言われていたPerfumenさんたちが特にうらやましくてこんな夢見たんだと思いマウス(笑)
てか夢とはいえ至近距離のかしゆかはやばい。
その感動を忘れたくなくて思わず日記にしてしまいました(^-^;