偽Perfume

独特すぎる文体ヴァージニア=ウルフ『ダロウェイ夫人』が、なんとなくラブワテイスト

最初の一文があまりにも鮮烈過ぎて、一瞬で作品世界に引き込まれてしまった小説『ダロウェイ夫人』。

最初に謎のマップが出て来て、それが何を意味するのか分かってくるとさらに興奮は増大。

なんか、小説という表現形態を使って壮大な実験かなんかしてるみたいな…

普通の小説では()なんかで包まれるような、呟き的な言葉でほぼ全編を表現しています。

しかも、突如場面と主観が切り替わるという忙しさ。第一次世界大戦後のロンドンという舞台設定と小粋な文体が洒落ているのもあって、結構なカッコいい作品になってます。

で、このヘンテコな構成を読んでいて思ったこと。

なんとなくPerfumeの『love the world』っぽいなーなんて。

love the world
Perfume
2008/07/09 ¥250

正確に言うと、音楽的には『ダロウェイ夫人』っぽくないですけど、歌詞は『ダロウェイ夫人』っぽい。

シンプルな繰り返し構成に見えて微細に変化していく音楽世界の中で、歌詞は文節ごとに話題・感覚が入れ替わっているらしくつぎはぎ状です。

ラブワの歌詞、普通に読む限り何を言ってんだかさっぱりわかりません。

でも歌として聴くと、メッセージ性と愛着みたいなものを漂わせてふわっとしている感じです。

たぶん、接続とか係りかたとかあんま考えない方がいいのかもしれません。

結構ラブワはところどころこんな感じで、いわゆる「読解」を拒否しているような構成に見えます。

読み手への配慮に欠けると言ってしまったらただの不親切ですが、より現実の思考パターントレースに近いと考えれば、個性が出ていて面白く、カワイイとすら思えます。

そんなわけで、『ダロウェイ夫人』、面白く読み進めています。

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