僕も最近になってももクロの「行くぜ怪盗少女」を聞きました。
愛を感じさせる1曲「怪盗少女」
各メンバー順繰りに歌わせてもらって、しかもグループのアイデンティティをテーマに熱唱。
こりゃあ作り手がグループとメンバーを愛してやまないんだろうな、と思いました。
ももクロに対する敬意と愛情と、そして自分の仕事に対する誇りみたいなのも入り交じった、愛すべき1曲だと思います。
時に誰かが言う、想い続ければ夢は叶う的な実例として、この曲は筆頭に挙げられるかもしれません。
ももクロの強い思いが、この曲として結実したのだと思います。
数年前にあった「ど真ん中しか歩かない」という宣言は、これまでの道のりとして間違いのないものなのでしょう。
異端Perfume
では、ど真ん中からかけ離れているPerfumeはどうかというと・・・
彼女たちが脚光を浴びるようになったポリリズムにしろ、ポリリズムタイアップのきっかけとなったチョコレイト・ディスコにしろ、Perfumeのメンバーの思いや努力だけでは説明のつかないところで突然変異的に発生した異端中の異端だと僕には思われます。
どこの女の子が、歌に踊りに頑張り続けた結果『チョコレイト・ディスコ』を授かることになるのでしょうか。
今でこそバレンタインの定番なんて言われてライブでもテレビでも大いに盛り上がるこの曲ですが、生まれたときにそんなこと誰も思わなかったのではないでしょうか。
少なくともPerfumeのメンバーは、この曲をやることになった当初に「今までの頑張りが報われた」とか「この曲こそが自分たちを代表することになる」とかいった確信には至らなかったのではないかと、個人的には思うのです。
骨太ロックバンドにならした耳でも順当にすんなり聞けてしまうくらいの強力サウンドを持ち、踊りに飢えたダンスフロアにおあつらえ向きの構成を持ったチョコレイト・ディスコ。
一体誰がそんなものをアイドルに求めていたというのでしょうか。
そんなニーズは当時ほとんど皆無だったからこそ、Perfumeは孤立して苦境に立たされていたのだと思います。
ただ漠然と、面白いもの、新しいものに飢えていた人たちには、このどこにもないサウンドとダンスのパフォーマンスは強烈な印象を残しました。
そしていつしかこの曲は、誰も予想しなかったくらいに巨大に成長して、アリーナやドームを湧かす大名曲となったわけですが・・・
そんなの、バンドマンやラッパーなんかの実力派ミュージシャンたちが切り開いてきた道ではあるかもしれませんが、アイドルがやってきたことでは全然ないと思います。
アザトースPerfume
このように、Perfumeが歩んできた道や実現してきた諸々は、人間が思いを抱いてなんとかなる地平とは全く別次元の世界の話に僕には思われます。
まさに神の意志とでもいうようなものを持ち出しでもしない限り、説明がつかないような偶然の奇跡がいくつも重なっているような気がします。
もちろん、ももクロにだってそういう奇跡はいくつもあるんでしょうけど、でもマジメに努力してきた成果だという風に感じられる部分が強いのに対し、Perfumeにはそれとはちがった要素を強く感じます。
そうした違和感、別次元感はどこかラブクラフト的です。
たまたま居場所がこの星だったというだけで、実は遥かに壮大で人智の及ばない世界の運動が関係しているような・・・
ま、僕がPerfumeに狂ってるだけなんだとは思いますけどね、何か尋常じゃ無いですPerfumeは。