先日、旧東京市(要するに23区。今自分の中ではやりの表現です笑)に行く用事が出来たので、ついでに銀座まで足を運んでみました。
岡田克也と会った街
前に銀座に行ったのは、何年か前の冬でした。
僕はその頃自分の行く末についてまとまった考えもなく、さまよっていたと思います。
朝日新聞の巨大なビルをみて溜息をついたり、交差点でボーッとしてるとクルマからいきなり岡田克也が降りてきて(古泉…でなく、小泉さんに大敗した後でした)、その大きな身体がススッと近くの超キレイなビルに入っていくのを見たりして、これが都会というやつか‥と感動したのを覚えています。
あのときよりは胸を張ってこの町を歩けるかな、なんて思いました。
画廊へ。
今回銀座に行ったのは行きたいところがあったからです。
そう、キンコン西野の名作「Zip&Candy」の原画展です。銀座の画廊で16日から24日までやっていることが彼のブログに書かれていました。
カップや絵はがきなどのグッズが手に入ることもさることながら、無料であるのがなにより魅力でした。
地図だとよく分かりにくかったので不安で、現場に行ってみると小さなビルの二階。
入るのに少し緊張しました(^-^;
エレベータで二階に上がると、すぐに受け付け。
やわらかい声の女性が簡単にルートを案内してくれました。
天井が少し高めでしたが、こぢんまりしたスペースの壁に絵本のサイズより少し大きめの原画が並んでいました。
僕が入ったとき、先客が2ー3人。
銀座だけあって上品なスタイルの服装をした仕事帰りっぽい若めの女性、それとカップルでした。
見応え十分
原画をじっくり見てみると、印刷で消されたと思われる細かい線や紙の質感まで分かって見応えがありました。
会場というかその部屋には、ブログで流れてるあの曲が小さい音量でかかっていました。
西野さんのブログには昼頃ここに顔を出すと書かれていて、僕は夕方に行ったのですがもしや会えるかも?!と淡い期待を抱いていました。
いざ会場に来てみると場のプライベートなムードもあって緊張が高まりました。
パッと見て西野さんはいないようだと分かったものの、エレベータの開く音がするたびにビクっっとしてしまいました(^-^;
狭い展示室内には壁で隔てられた空間があって、中に入ると作業机が置いてありました。
そこにスケッチブックや筆記用具、参考文献らしき書物が積み上がっていました。
ペンケースがフェルト製のファミコンのキーを模したものでとても可愛かったのが印象的でした。
スケッチにはえんぴつでの下書きとその上をペンでなぞった後が見られ、思わずじっくり見てしまいました。
参照したらしい資料は、主にロシアやイタリアの歴史的建造物や小物のデザイン集です。
確かにあの絵本にはローマやベネツィアを思わせる建築、街のデザインがいくつかありました。
西野さんは不在でしたので、椅子の方にも回れました。
座りはしませんでしたが、どんな景色なのかと身をかがめてあたりを見回してみました。
その画廊は静かで穏やか、とても心地よい空間でした。
ここでなら創造活動もはかどりそうです。
美しい夜景
僕が特に気に入ったのは、窓から見える景色です。
ここに来るには裏道みたいな狭い通りを通らないとならないのですが、外の景色は裏通りよりは少し人の通りがあるところで、行き交う人びとの表情がぎりぎり伺えるくらいの距離です。
まるでカフェのテラスから街中を見るような、そんなムードです。
笹倉鉄平の絵『紐育マサオの為の描き下ろし』(是非ともググって!)みたいでとても素敵でした。
僕もこんなところで仕事をしてみたい、なんて身の程知らずにも思いました。
一口に東京といっても旧東京市と多摩では全然違いますし、銀座は新宿や渋谷、池袋みたいな雑然さとは違った落ち着いた輝きがあるように思いました。
美術談義
一通り見終わって、背筋の伸びたスーツ姿の係員らしき男性を見かけたので声をかけました。
「今日は西野さん来られたんですか?」
その男性は良く通ったキレイな声で、
「ハイ、ちょうど30分ほど前まで」
僕は思わず声を出して驚きました(^-^;
どうやら昼頃来て、そのまま3時間くらい居たようです。
でもテレビの撮影も行われて非常に混雑したとか。
サインをもらった人も居たようですが、ほとんどの人が会場にすら入れない状況だったようです。
「今の方がゆっくりごらんになれる時間帯ですから、むしろ良かったかも知れませんね」
とその男性は微笑みました。
僕は、「すごく見応えがありました、絵本と違った部分が見れて面白かったです」と感想を言いました。
男性は、
「ええ、センセイの‥いえ、西野さんの絵は独特です。初めて見たとき一体どうやって書かれた絵なのか分かりませんでした。」
と感心してました。
その男性は、どうやらこの画廊の管理人さんらしかったです。
私どもこういった仕事をしている手前、いろいろな作品を目にしますが…なんて言ってました。
構図やバランスもかなり自由・大胆で面白いと思う、なんてちょっと突っ込んだお話しも聞かせてくれました。
僕も調子に乗ってここがすごいと思いました、というポイントを言ってみたのですが、それにはあまり共感してくれなかったというか無反応でしたけど(^-^;
ブルガリタワー
外に出て、せっかくだからちょっと銀座の街を歩いてみようと思いました。
お金はないですからどこにも寄れませんが、目で見て感じられるものもあるだろうというわけです。
黒づくめで次々に人が吸い込まれていくビルとかよく分からない店も多いですが、吉野家やユニクロもあったりして多面的なところが見えました。
クリスマスシーズンですからイルミネーションもあったりして、雪が降ったみたいな白っぽいアスファルトと相まってジングルベルな気分が高まりました。
適当に歩いていると、ブルガリが見えました。
ブランドは全然知らないし興味もないのですが、ブルガリだけは違うのです。
とりあえずスペルが格好いいです。
BVLGARI。
UであるはずのところにVというのが、僕の好きな古代ローマを思わせます。
そしてデザインも、ギリシアを想起させる感じですごく好きです。
ブルガリの建物は表面に噴水の水が噴き上げてこぼれていくようなイルミネーションが施されていて非常に近代的でした。
最上階あたりには、吹き抜けのスペースが見えてゴージャスなパーティでも開催されていそうな感じです。
‥一生あそこに行くようなことはないのかな、なんて思うと切なくもなりますが、いつか行ってみたい!なんて無謀な思いも芽生えたりしました。
もちろん店内に入るなんて無理ですが、外から周りを半周してみました。
カバンやアクセサリーを展示しているようで、壁面にもいくつかガラス張りのディスプレイがあって品物が飾られていました。
多分女性ものなんでしょうが、とてつもなくかっこよかったです!
ただ、一部ホコリをかぶっちゃってたのは残念でした。
アップルストアを経て帰路へ
ブルガリに心を洗われた後、アップルストアにもちゃっかり寄ってみて、初めてのアイパッドや新型MacBook Air、トラックパッドとかにも触ってきました。
大盛況の店内でしたが、異様にスタッフ数が多かったのには驚きました。ここまで人件費をかける余裕は、今のアップルには当然あるとは思いますが、それにしても呆れるくらいの店員揃えでした(笑)
そんなこんなで、帰宅です。
ときには大都会に身をさらすのも自分を高める良いモチベーションに繋がると思いました☆