偽Perfume

その道の大家として、かしゆかは涙を流す

初のドームライブ後のラジオPerfume LOCKSで、かしゆかは泣きだしてしまいました。

周囲では念願を叶えた瞬間だとか絶頂を迎えたときだとか称賛の嵐吹き荒れる中での、それを否定しかねない言動は注目を集めたと思います。

この出来事の翌年、僕はPerfumeを知りましたので僕にとってはこの話後追いでしかないのですが、僕も衝撃でした。

が、今にして思えば、受け止め方を少し間違っていたかも。

Perfume内でかしゆかは弱者か

何となく、かしゆかってビジュアルで目立つのっちとテレビやライブ動画で喋りまくりのあ~ちゃんに囲まれて少し気後れしてるというか、自己肯定感があまり高くなさそうな印象を勝手に持ってました。

そしてそんな印象を後押しするような発言を、本人がしているのも知るようになりました。

かしゆかはドームライブより前に、写真集のインタビューで「あ~ちゃんのっちの二人のペースを乱さないようにしたい」なんて言ってたり、自分はPerfumeに必要ないかもしれないと思ってるなんて話があったりしました。

もともとお兄ちゃんのおまけでアクターズスクールに来たように自分からこの世界入ったわけではないし、なんてエピソードもあったり。

これらが合わさって、立場的に少し弱いところにいる、極端に言うならPerfume内で弱者なのがかしゆかかもと僕は勝手に思ってしまっていたかもしれません。

なので、初東京ドームでの「十人のかしゆか」というパフォーマンスで、かしゆかはズレて踊ってしまったということがライブ後のラジオでの涙とセットで語られたときには、きっとそうなんだろうなと妙に納得してしまったものです。(後述しますが、これは間違っています)

きっと恥ずかしくて辛かったよな、といたたまれない気持ちになってしまいました。

自分も会社では周りに気を遣って下手に出ていたので、なにか間違いがあればすぐに頭を下げる習慣が出来ていて、勝手に同じようなこと経験あるから分かるとか思ってました。

しかし、我ながら甘かった…かしゆかを見下してしまっていました。

怒れるかしゆか

そもそも、かしゆかはどういう人か。

先日ツイートした激辛かしゆかエピソードのように、かしゆかはそんなに引っ込むタイプではありません。

自由奔放なあ~ちゃんのっちと比較してかしゆかはすごくしっかりものでメンバー内の引き締め役を担ってきたのではないかと思います。

そんなときかしゆかのPerfume内での立ち位置は、極端に言うと保育園の先生的ポジション?

もちろん常時かしゆかが保母さんやってるわけではないですし、あ~のちも常に園児ではありませんw

でも、一時的にはそんな役割になることがあるかもしれない、というのが僕の予想です。

保母さんじゃないときは?

色々ありますけど、僕が特に好きなのを言うなら例えば…edgeのとき。

皇帝かしゆか

edgeの歌い出しと、最初のポジショニングでセンターを担うのはかしゆかです。

これは、耳だけPerfumeファン歴が2-3年だった僕にはわりと衝撃でした。

じゃあ誰なら良いんだと言われると難しいというか、のっちとか?とりあえず、かしゆかのイメージではありませんでした。

それが、ライブで見ちゃうと…

このように強制的に見上げさせられる位置関係もあるかもですが、問答無用でひざまずけと言われるようなパンチのある登場シーン中央を占めてしまうのがかしゆか。

こういうのを前にすれば、もはや保母さんどころでは済まされません。

え、クヌート大王??

edgeのかしゆか、何かしらの猛者たちを統べているような迫力があります。

このようなド迫力の威圧をかしゆかが担うことって決して珍しくなくて、つい最近のPerfumeアートでもありました。

カワイク見上げるあ~ちゃん、のっちなのに、かしゆかは上から見下してます。

最近じゃなくても、例えばJPN。

上から見下ろしてはいませんけど、堂々としていて迫力あります。

このようなアートワークを見てみると、かしゆかは園児を引率してないときは、大国を率いているなんて言えるかもしれません。

王者の風格がそこには漂っています。

こういう人が、メンバー内で弱者になるなんてことは考えにくいですから、僕が勘違いしていたことが濃厚になります。

10人のかしゆかでかしゆかはミスってない

東京ドーム初ライブで、かしゆかはミスがあったと自分のブログで言っていますが、少なくとも「10人のかしゆか」でのズレのことでは絶対にありません。

これはかしゆかが間違ってたのではなく、映像の方が遅れてしまっていたことが技術チームの証言で判明しているからです。

関さんが、はっきりとシステム上の限界のせいだと明言しています。

Perfumeの内部ではむしろ技術者チームが悔しがっている案件のはず。

DOMEで使用したシステムでは限界だそうです。演出として出している映像に関しては音源に合わせて制作しており、もちろんレイテンシーに関しても計算しておりますが、なにぶんライブは一発しか無いのでズレてしまったのはちょっと残念でね〜これもライブ。

関さんのツイート引用。Perfume×Intaractive Crew@Perfume東京ドーム公演についての補足

アクターズ時代も猛者だった?

また、最初のきっかけはお兄ちゃんのお供だったとしても、ASH入りたてのかしゆかはそんなに消極的ではなかったかもしれない証言を、元メンバーのかわゆかさんが記憶が曖昧と言いつつもしています。

一番最初は「かしゆかが」かわゆかさんに声をかけて二人と他のお姉さんたちとでユニットを組み、数々のオーディションを受けてダメで、方針転換を迫られていたときにかしゆかがあ~ちゃんを連れてきて3人組になったというのです。

これだけでも、ASH時代のかしゆかはバリバリ積極的だったかもしれない気がしてきます。

のっちの証言

以上のように、かしゆかが涙したわけにはちょっとやそっとの想像ではたどり着けない奥深さがありそうな予感がしてきます。

そもそもキャラ的に泣くような人ではないし、泣いて絶望してたら生き残れない世界をかしゆかは生き抜いているからです。

ここで、のっちのかしゆか評からその実態を探ってみたいと思います。

(かしゆかは)出来てるのに「出来てないから」って言う

「かしゆか小悪魔説の真相を研究せよ」┃Perfume LOCKS 2008年7月30日

実に素朴でありながら、見事に真相を突いている気がします。

さすがはのっち。かしゆかウォッチャーの頂点に君臨しているだけはあります。

これで見通しがものすごくクリアになります。

かしゆかが自分否定するような事を言っているとき、実は出来ているのにも関わらず言っていることがある。

これを聞いて思い出したのが、京都の達人たちの話。

https://clip.mitaimon.com/post/111968376046/%E4%BA%AC%E9%83%BD%E3%81%A7%E3%82%8F%E3%81%9F%E3%81%97%E3%81%82%E3%82%93%E3%81%BE%E3%82%8A%E8%A9%B3%E3%81%97%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%82%88%E3%81%86%E5%88%86%E3%81%8B%E3%82%89%E3%82%93%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8C%E3%81%A8%E5%89%8D%E7%BD%AE%E3%81%8D%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%9D%E3%81%AE%E9%81%93%E3%81%AE%E5%A4%A7%E5%AE%B6%E3%81%A0%E3%81%A8%E6%80%9D%E3%81%A3%E3%81%A6

京都で「わたし、あんまり詳しくないので、よう分からんのですが」と前置きされたら、その道の大家だと思って身構えておけと教わりました。

できてるのにできてないっていう人達には、こういう化け物が紛れ込んでる可能性があると。

他にも思い当たるのはソクラテス。

ソクラテスの言う「ぜんぜん何も知らない」は、全く一度も考えたこともない、という意味での「知らない」ではなく、何度も深く考えたし詳しそうな人たちとも議論したけれども、それでもその本質は掴めなかった、といったレベルだと思います。

プラトン『メノン』想起説⑥かしゆかの髪の色だって思い出せる|かしゆかわいい.com

つまり、かしゆかが「私Perfumeにいらないかも…」的なことを言っていたら、弱者が卑屈になっている様子を思い浮かべてはいけなくて、身構えておいたほうがいい。

Perfume道の大家としてのかしゆかが、その道の奥深さの前に頭を下げているだけかもしれないから。

普通の人なら成功と思えることに対しても「もっと もっと」と涙するのも、ミスがどうだとかいう細かい話もなくはないでしょうけど、本質的にはそのあまりに高すぎる理想をいつでも視野に入れているから。

本人はそんなこと、一切言いませんけど。

深い意味でかしゆかはこの国の伝統的職人気質を継承してしまっているのでしょう。

edgeでセンター張って、誰にも出来ない歌声で先陣切るPerfumeのかしゆかは、だからこそあんなにも神々しいのです。

いたいけな少女の涙ではなく…

以上より、かしゆかが泣くとき、そのあまりのかわいさ故に、いたいけな少女の涙と受け取ってしまいがちではあります。

でもよくよく考えると、それは豪傑の涙であって、達人の流す涙だったりするのかも。

例えば…この人とか。

悲鳴嶼行冥さんがなんで泣いているのか、僕はよく分かってないんですけどwてかもしかするとこの人の涙こそピュアな涙もろさなのかもしれませんが、初見ではただならぬムードを感じてしまいます。

ここで、Quick Japan2008年vol.77掲載「ひとりからふたりへの直筆メッセージ」より、再びのっちさんの言葉を引用します。

敢えて分割します。

かしゆかは強いね。いろいろと一人で考えて、悩んで、頑張って。

本当に強いと思うよ。

これ、まさに職人的に技芸を極めようとするかしゆかの達人ぷりをこの上なく的確に説明していると思います。

そして天才のっちが繰り返し「強い」と強調してるのですから、かしゆかが弱いはずありません。

本当に強いのでしょう。

のっちは、そんな強過ぎるかしゆかに意外なことを言ってメッセージを締めます。

だからもっと、弱い人間になりましょう。

頼れよってことさ。

のっちらしい、照れ隠しの男っぽい言い回しが逆にかわいい。

天才のっちにここまで思わせるほど、かしゆかはとにかく一人でとことん追求する職人気質なのでしょう。

ちなみに、かしゆかからのっちへのメッセージも負けず劣らずの男前?

あんたの 目 が好きだ

これだけw

こんなこと言い合う二人を想像すると…なかなか、素晴らしいものがあるかと。

勢い余って話が逸れてしまいましたがw

かしゆか、ホントにあなたはすごい人です。まだまだ勘違いしてるかもしれないですけど、心より尊敬します。

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