偽Perfume

地獄に落ちろ、男子中学生

こないだの日曜、僕は朝10時からのバイトの前に実験をするため、少し早めに家を出ました。

事故現場目撃

それでチャリで交差点に差し掛かったところ、女性の悲鳴とともに自転車が倒れる音がしました。
見ると、20代半ばくらいの女性と男子中学生がぶつかって、双方倒れた模様です。
男子中学生は「すいません」と蚊の鳴くような声で呟いてそそくさとその場を去りましたが、女性はまだ立ち上がりません。

そして、苦しそうに胸を抑えています。

そこには僕以外に、中年のおばさん、子供を連れた休日姿のパパが居て、倒れた女性に近づき誰からとも無く「大丈夫?」と声を掛けました。

僕は彼女が胸を抑えているのが気になったので、「心臓ですか?」と聞きました。
もしそうだとすると、最初の数分の対応が生死を分けるなんて話もありますので、即効で救急車を呼ぼうと準備しました。

が、女性は首を振って、カバンにぶら下がったキーホルダーを示しました。

”おなかに赤ちゃんがいます”

そこにはそう書かれていました。

僕は初めてそういうのを見ましたが、赤ちゃんはこの国の希望であるばかりかみんな初めは赤ちゃんだったという事実があります。

僕は妊婦を守る派です、これは絶対に譲りません

ネットではいろんな意見を見ますから、赤ちゃんを作れる時点で恵まれてるんだから極貧のサラリーマンの方がしんどい的なことを言う人がいることを僕も知っています。

けれども、僕はこの世に無事生を受けることが出来、色々ありましたがなんとか今普通に生活をしている身です。
社会の支え抜きにはありえません。

恩返しをするときがきた、と思いました。

そして、この国が超高齢社会に突入して医療費の問題など山積する問題を抱えているなかで、「子どもを生む」ということは唯一にして完璧な対抗策であることを忘れてはなりません。

利己的に考えたとしても、この国でこの先生きていくのであれば妊婦さんは真っ先に守るべき存在です。

倒れた女性の状態

転倒した女性は苦しそうに言いました。

「お腹を打ってしまって…」

女性は、お腹を打ったのがショックで急性に心拍が早まって胸が苦しくなったようでした。
心臓は大丈夫だけれど、赤ん坊が心配ということを言いたいようでした。

居合わせたおばちゃんは「大丈夫だからね」と言いながら背をさすり、子連れパパは「救急車を呼びましょうか?」とスタンバイ完了済みらしき携帯片手に問いかけました。一緒にいる少年も大丈夫?と声をかけていました。

女性は「夫に電話します」と言って、自ら電話をかけました。

ハイ、僕だけできること無く立ち尽くしてました(^-^;
心臓の問題じゃなくて一安心している間に他の人たちがぜんぶやってくれた感じです。

ただ何か必要になったときすぐ動ける人間も必要かと思ってそこに留まっていました。

おばちゃんが、自分の娘も妊娠中に転んで腰を打って凄く痛そうにしてたことがあったけれど無事出産したと励ましました。
子連れパパは、気になるなら病院行ったほうが安心ですよ、なんて言ってました。

夫の登場

するとすぐに夫と思しき男性が登場しました。

僕と同い年くらい、30前後に見えました。
完全にお休み中って格好でしたが(^-^;

彼は妻に何があったのか聞いて、周りの僕達がちょこちょこ説明を補いました。

「で、ぶつかった男の子は?」

「すぐに行っちゃった、もう分からない」

旦那さんはため息をつきましたが、怒りというよりは呆れた様子でした。

夫の登場で女性もようやく落ち着きを取り戻せたようでした。
それで、僕たちは散り散りに誰からとも無く解散し、各々の道へ付きました。

去り際、旦那さんが「○○病院行こうか?」と聞いて奥さんが「でも仕事が」なんていうやりとりをしていました。

○○病院‥近所にある、とても有名な女性向けの病院です。
あそこにかかってるのなら安心だな、と思いました。

逃亡した加害者へ

それにしても、あの男子中学生。
僕ははっきりと顔も姿も目撃してたわけですが。

よくも無責任にその場を去れたものだな。

休日に制服ってことは部活でしょうか。

遅刻しそうだったかなんだか知りませんが、明らかに私立校でないあの制服、どこの学校かもだいたい分かります。

というわけで日時、場所を指定した上でこの日の出来事について役所のご意見箱みたいなところに投書しておきました。

こういうことが続いてしまわないように、地域社会が彼を良い方向に導いてくれることを願ってやみません。

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