6位『ぬえの鳴く夜は』Creepy Nuts
なんかよくわからないものは気持ち悪い。
という排他的集団心理から生まれたのが『鵺の鳴き声』という恐怖の表現で、鵺(ぬえ)にはいろんな動物のミックスという意味合いが含まれます。
が、これを逆手に取り、鵺側に立って苛立ちをぶつけてみせた見事な作品がCreepy Nuts『ぬえの鳴く夜は』。
ぬえの鳴く夜はCreepy Nuts
2018/04/11 ¥250
大衆に溶け込めない、阻害されることを経た上で、悲しみを歌うのでもなく吐き出す決意。
呼び方なんてなんでもいいという、なんて気高い精神。
インタビューでラッパーR-指定は「“ぬえ”か……俺らかもな」と発言。
なんかよくわからないから気持ち悪い、と言われてしまう側に立っているという見立てに間違いはない。
こういうことを歌える、ラップできる人たちこそ、僕が求めるものです。
僕は自分のことを、何もしてないのに嫌われる、とまでは言いませんが、何もしてなくてももてはやされるタイプの人間ではありませんので(^-^;
YouTubeのコメントでは「楽器一つも弾けないくせに ほら楽しむ器はあるちゃっかり」というラインが絶賛されています。僕もここ大好きです。
あえて付け加えるなら、その前に「一物も与えてくれんかった天」とあるところを指摘しておきたい。
誰も助けてくれない、一人で戦うしかない荒野で顔をあげる。
おお、まさしくあなたはCosmic Explorer!!!!!
5位『ネグレクト詩人』FEEDWIT
次の一手が全く読めん。そして歌詞は、普通に読むことすらできないw
ネグレクト詩人FEEDWIT
2018/11/27 ¥250
ミニアルバムのタイトル『kamonohashi』にその音楽性というか、ポジション的な自意識が出ているのでしょうか。
哺乳類のくせに卵生むみたいな、非常に珍しい動物カモノハシ。
しっかし、楽しいですね!この詩世界。
「あいよあいよ」の謎の合唱から、加速していく音楽。
最初のちゃんとした歌詞はよりによって「ああいい歌詞だね」。
詩作、あるいは思索の中身そのまんまみたいな、とりとめなく飛躍転調しまくりの流れと、いろんな声が次々に交代していくボーカル編成。
不意に女の子が「うふふ」なんて言ったりしてて、カオスw
『シュナウザー』や『最中』を聴くと、このバンドはよりキャッチーでポップなこともできるということに驚きます。
要するに、結構なポップ感が底にあって、その上に狂気が入り混じっているというのが彼らの音楽性のようです。
初めて聴いたときに「なんじゃこりゃ!!!」と声に出してしまったものですが、その後で何回目か回数重ねたあとでもやっぱり「なんじゃこりゃ!!!」な、楽しい楽しい一曲。
そういえば、カモノハシって哺乳類の中の異端ですけど、見た目は愛嬌あってカワイイですよね♪