実家に居た頃、良く飼い犬のミニチュアシュナウザーと遊んでいました。
受験期の想い出
ニート生活に終止符を打つべく猛勉強していた時です(20代後半にさしかかった頃)。
秋の模試の結果で大惨敗、やっぱり今更勉強しなおしたってできないものはできないという現実を受け入れた方がいいのかも、と思いました。
所詮模試ですから、軽く受け流して復習に時間を割くべきなのは明らかなのですが、精神的タフさなんてカケラもない僕にはそれは難しいことでした。
部屋の真ん中でぐでーっとうなだれて、無為に時間ばかりが過ぎていきました。
僕がグダグダ寝っ転がってると飼い犬のミニチュア・シュナウザーが遊び相手を探して僕の部屋にやって来ました。
短いシッポをフリフリしてゴキゲンの様子です。
「犬はいいねえ、気楽な人生で」
そんな嫌味を言ったって、嫌な顔ひとつせず僕の手に顔を擦りつけてきました。
ワシワシとほっぺをかき回してやると「もっともっと!」と言わんばかりに顔を寄せ付けるのです。
「お前も飼われる人生じゃなくて、自分の意思で生きたいとは思わないかい?」
今度は頭のてっぺんをなでなでしてやりながら言いました。
相変わらず楽しそうに、僕の周りをうろちょろしてます。
「まあ、犬に生まれたらそんなこと望むべくもないか‥」
でも俺は人間に生まれた…ダメモードだったものの、犬と戯れてると少し心にゆとりが出来たせいか頑張らないと行けないなって思いが湧いて来ました。
背中を撫でてやるとお座りして、にこにこしてこっちを見ています。
あ、散歩に行きたいんだな、と感じました。
その頃家に常時いるのは僕だけだったので、だいたい僕が散歩に行っていました。
「わかったよ、でもちょっと待って。何か気力が出ないんだよ」
もちろん、うちの犬はそんなことお構いなしに僕にアピールし続けます。
しょうがない、行きたくないけど行くか…と立ち上がると、散歩に行けると分かって大喜びする我がワンコ。
「よし、散歩行って気分転換して、その後頑張ろう」
と思いました。
でも…机の上に広げられた、模試の結果。
それがちらっと見えるだけで、気が萎えました。
ギヤブルース
で、そのとき「散歩に行けて嬉しいの舞」をやってたうちの犬が、たまたま蹴飛ばしたのがミッシェル(ガン・エレファント)の「ギヤ・ブルース」。
古いCDで置き場に困ってそこらに放置されてるいくつかのうちの一つでした。
「ミッシェルかあ~久々に気合入れるのにいいかも…」とそのディスクを手にとって、曲リストなんか眺めました。
で、思い出した。
「ダニー・ゴー」
ダニー・ゴー
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
1998/11/25 ¥250
すっごい好きだったなぁこの曲。
何万回も繰り返して聴きまりました。
いつからか存在自体忘れててアイポッドにも全然入れてなかったけど、久しぶりに聞きたくなりました。
僕がじっとしてると、早く早くと急かす犬。
僕は久々のダニー・ゴーを楽しみにとっておいて散歩に行きました。
一時間くらいタップリ散歩して、んで帰ったらダニー・ゴーをかけまくって、なんとか勉強を再開できました。
そんなふうな挫折→意気消沈→復活なんて、受験勉強やってたら何回もあって、このエピソードはそのうちの軽めの方です。
ただ、犬にはほんとに助けられました。
今のワンコ
そんなうちの犬は、今は弟と住んでいます。
弟には同棲している彼女も居ますし、収入も安定していて平均より遙かに高いです。
ただ、今月に入って急激に体調が悪化したみたいで何度も病院に行っているとか…
昨日電話で僕の声を聞かせたら反応しているって聞いて、すぐにでも駆けつけたくなりました。
今非常に忙しいですが、合間を縫って会いに行こうと思います。
まだまだ伝えていない感謝とか、たくさんあります。
とりあえず、もう無為にうなだれて時間を浪費するような真似はしてないぞってところは見せてやりたいです。
散歩はできないかもしれませんが、またほっぺの周りをワシワシやって、頭をなでなでしてやりたい。
どうか元気でいておくれ…!
追伸
日記の数日後、亡くなりました。
結局再会は果たせず、です。
弟カップルがしっかりと看取ってくれたようで幸福な最後だったと思います。