これまで僕は4回に渡り、かしゆかが夢に出てくる度に日記として記録しています。
夢日記の危険性
最近、好きな女が夢によく出るので日記にしているという話を友人にしたところ、あまりそういうことはすべきではないと注意されました。
夢というのが厳密に現実と区別されているわけではないこと、その区別は僕たちの感覚によるところが大きいから、あんまり夢について考えてばっかりいるとその感覚が鈍って現実に夢が浸食して発狂してしまうといった主旨のことを言われました。
調べてみるとネットでも夢日記は危険とされているようですね。
僕の場合、特に前回、不気味なうずまき構造と謎の建築物が出てきてちょっと怖いな、と思っていたので、危険と言われて思わずゾクッとしました。
ただ、ちょっと考えると僕の場合悲しいほど夢は夢と認識され区別されているんで、やっぱりそんなに恐れるほどのことでもないかな、と思っています。
前回怖かったのも、よく分からないものが出てきたからであって、夢と現実の境が曖昧になってきたからではありません。
元・夢研究者
実は小学生の頃から夢については研究してきました。
色々実験もして、突っ込まない方がいいことがあることも普通の人よりは知っているつもりです。
僕は、夢と現実を区別する生理的仕組みが人間には備わっていると思います。
そして僕が持つそのソフトウェアは結構優秀らしく、夢世界で意思を行使しようとすると強制的に現実界に精神を押し戻します。
明晰夢くらいかなり自在に操っていましたが、あくまで導入を自在に出来るってだけで、この押し戻しシステムの発動により必ずすぐに覚醒させられていました。
例えば、僕が夢の中のかしゆかに手を出そうと(いわゆる性的な意味で)するとします。
僕の編み出した明晰夢誘導法を使えば、50-60%という高確率で明晰夢を発動し、即座にかしゆかを登場させられます。
で、このかしゆかには触れることが出来ますし、奇跡のような柔らかさを感じることも出来ることでしょう。
でもそうすると、興奮によって意識が覚醒方向にむかってしまいます。
なので、いわゆるBまでは可能だと思いますがそれより先は不可能です。
それだけでももの凄い得した気分に違いないですけどね(^-^;
起動したカウンターアクション
当然のように思春期の僕はこの研究に没頭しまくったものです。
ただ、やればやるほど覚醒が早まってしまい、しかもだんだんと恐ろしいプログラムが起動するようになりました。
それが、悪夢プログラムです。
意識を高めて夢に理性を持ち込もうとする流れで、「こういうのは絶対にやだ」という恐怖が紛れ込むようになったのです。
例えば刃物による痛みであるとか、毛虫に体中を這われるとか、そういう不安が一瞬でも頭に浮かぶと、猛烈な勢いで頭を支配して、そのまま悪夢へと突入してしまうのです。
そしてそれは、金縛りへと繋がりました。
金縛りは数秒で解除出来るのですが、怖いことに違いありません。
何回かあるうちに死にはしないことは分かったものの、最初は本当にこのまま死ぬ気がしました。
僕の研究はそこで終わりました。
時々むらむらすると、また明晰夢やってみたくもなるのですが、悪夢と金縛りのコンボはかなり強烈な怖さだったので、すぐに気持ちが冷めてしまうのです。
夢日記で滅びていく人のレポを読むと、僕は運良く自分を守るソフトウェアがインストールされてて危ないところまではいかないようになっているんだな、と思います。
夢と現実が曖昧になるくらいまでには、夢に没頭できないようになっているみたいです。
所詮、夢
僕は寝ているときに見る夢は好きですが、あくまで趣味であって、深入りするほどのものではないと思っています。
つげ義春のマンガ(代表作のねじ式と、あといくつか夢を題材にしたマンガがあったと思います)が、夢を描いたものとしてもっとも優れていると思いますが、あのようにネタの元にするくらいが夢の実用性の限界(実質無限に近い実用性ですけど(^-^;)だと思います。
僕がどうして今夢日記を書いているかというと、かしゆかに似た、自分で作った漫画キャラみたいな感じで愛しさを感じているからです。
あれが、本物のかしゆかの投影だなんていう畏れ多いことはなるべく考えないようにしています(ご本人やファンの方々にも失礼極まりないですよね)。
本物は僕の妄想を遙かに凌駕するほど可愛いから、カテゴリも厳密に区別しているのです。