偽Perfume

呪いの道に迷い込んだゾ(クレしん風に)

一応ホラーテイストなので、苦手な方スキップでよろしくお願いします。

滅多に使わない最寄り駅

僕の家からの最寄り駅は三つあります。

今仮に、その駅の一つをきさらぎ駅風に「さつき駅」とします。

さつき駅は他の二つの最寄り駅と異なりやや外れの郊外にあって、普段行くことも無い方角なうえに一番遠いのでほとんど使いません。

ですがこないだ、使う電車の関係でさつき駅を使うと1番安いことが分かり、この駅を使うことになりました。

地図的には家からさつき駅まで一本道だったので、自転車で駅まで行って駅前に自転車を止めておくことにしました。

若干急いでいたこともあって、行きには特に気になるようなことはありませんでした。s

幽霊マンション?

しかし用事を終えたその帰り道のことです。

時間は16時くらいで、曇っていて薄暗くなっていました。

駅前は高台になっていて、家に向かうと住宅街に入ると同時に下り坂になります。

坂の両脇は崖になっていて、片側には10階以上はありそうな古めかしい大きなマンションが建っていました。

このマンション、崖の下から一階が始まっているので下の方の階は崖の壁面が窓から見えるという結構寂しい景観です。

こちらの坂の途中から回廊が延びていて、マンションの中部に入ることが出来ます。
この回廊がまた古ぼけていて、しかも使っていないのか壊れた自転車などが散乱していました。

ベランダからはまばらに灯りがついてる部屋も見えるので、たぶん人は住んでると思うのですが・・
なんというか、半分以上廃墟みたいなマンションでした。

危険な帰り道

坂を下るとそこは普通の住宅街です。

駅から伸びていた道も急に狭くなり、歩道は人一人分くらいの幅しかありません。

なのに通行人もクルマもそこそこ走っているため、ちょっと危険でした。
行きは通行人もクルマもあまりなくて気付かなかったのですが、歩道にいると通行人とすれ違うスペースすら無い狭さでした。

かといって車道もそんなに広くなくて、自転車で車道を走るのも危なっかしい感じでした。

外れの街路へ

僕は、駅から続くメインの通りから一本脇道に入ってみることにしました。
歩道と車道の区別のない狭い道ですが人通りが全く無いのでこちらの方が安全そうだったのです。

迷ったら困るので1ブロック隔てて元居た道と平行になるよう進もうとしたのですが・・
道は斜めになっているうえ、変に蛇行していました。

全く人通りがないのでスイスイ進めたのですが、困ったことにこの住宅街は家が密集しているせいかそこここに「この先行き止まり」の看板があります。
そのため僕はどんどんどんどん道をくねって進むことになりました。

それにしても行き止まりの看板だらけでした。
曲がり角や分かれ道があってもこの看板のせいでほぼ一本道に近い状態です。
まるで誘導されているような、そんな気までしてきました。

手を振るおばさん

さすがにくねり過ぎだから戻ろうかな、と思い始めたときです。

ぎりぎり顔が見えないくらい遠くに、おばさんが一人立っていました。
しかもこちらを向いて手を振っているのです。

ここを初めて通る僕の知り合いであるはずがないです。
僕はすかさず後ろを振り向きました。

僕以外の誰かに手を振っているに違いないと思ったからです。

ところが後ろには「誰も」いませんでした。

なのにおばさんはまだこちらを向いて手を振っています。
僕はゾッとしてしまいました。

逃亡

それで自転車を止めてケータイを取り出し、何かあったらすぐかけられるようにスタンバイしてUターンしました。

幸いおばさんが追いかけてくることはなく、迷うこともなく元の道に無事出られました。

結局何事もなかったのですが・・

なんだったんでしょうか、あの変なおばさんは。
たぶん、誰かと勘違いしたか何かっていう詰まらないオチに違いないんですけど。

とりあえず今度さつき駅を使うときはバスにするか危険でも一本道を外れないようにしようと硬く心に決めました。

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