偽Perfume

東京事変最強アルバムは『娯楽』

悲しくなってしまうので話題を避けてましたが、取り上げます。

悲報:事変、解散

我らが椎名林檎率いる東京事変が解散することになってしまいました。
バンドは今日発売の「color bars」、来月発売のライブアルバムを持って制作を終えるようです。

衛星放送の番組シリーズだったはずのアルバムタイトル、最後は寂しいチョイスとなりました。

さて。。。
笑顔で締めと行きたいところです。

大好きなアルバムを紹介してみようと思います。

娯楽と書いて

僕のお勧めはずばり、3rdアルバムの「娯楽」(と書いてバラエティ)です!

随分投げやりなジャケットです。

そして結論からいって、このアルバムにはキラーチューンが不在です。
『キラーチューン』というタイトルのシングル曲はありますが・・

例えば4thアルバム『スポーツ』(一般的に最高傑作と言われるのは多分こっちです)の1発目、『生きる』という壮大な曲に比べると、この『キラーチューン』は”サラッとしたそこそこ良い曲”どまりに聞こえます。

しかし、逆説的ですが『娯楽』というアルバムの特徴は、実はこの”サラッとしたそこそこ良い曲”程度の曲しかないところにあると思っています。

こうしたちょっとした曲に留まるような第一印象の曲たちが、次々に色とりどりに現れるさまが聞き込むたびに味わい深くなってきてどんどん魅力を増していくのです。

全体ダイジェスト

曲単体だけ取り出せば、他のどのアルバムにも及ばない気がします。

特に椎名林檎作曲が皆無なために地味な曲が多いという意見をよく見ます。
確かに一癖も二癖もある曲が多くて、ちょっと好みが分かれるかもしれません。

CDをセットして1曲目から3曲目まで、ほとんど印象に残らないままさっさと曲が流れていく感じだと思います。

一発目からまさかのエンディング級の超展開を魅せる『スポーツ』と比べると地味なこと地味なこと…

4曲目私生活でしっとりめバラードはちょっと聴かせる感じですが、続くOSCAはめちゃくちゃな曲。

何が何だかついていけないまま、ちょっと林檎っぽい6曲目黒猫道が始まりますが、3分にも満たない早さで即終わり。

ちなみにこの黒猫道、林檎が猫の鳴き真似をするように聞こえるところがあります。
ニャーとは言ってませんが、それに類する声を聞けます。

これは堪りません。

で、そっから12曲目『キラーチューン』が現れるまで、やっぱり1~3曲目みたいにさらっと流れていって、締めのメトロも2ndアルバム『大人(アダルト)』の締め『手紙』の感動的なラストに比べあまりにあっさりとしています。

地味な印象

以上の簡単な全曲レビューだけ見れば、なんて印象の薄いアルバムだ、と思われてもしかたがありません。
実際一回通して聞いたくらいの段階だと、そのまま二度と聞かないかもしれないくらいのあまりにあっさりしたアルバムです。

ところが、ふとしたきっかけでなんとなく聞きたくなって、それで何回も聞くうちにどんどん離れられなくなっていく魅力がこのアルバムにはありました。

特に、実は上の簡単レビューでスルーした曲が聞けば聞くほど、気になってくるのです。

聞くたびに面白さがあって聞き所があって、良い曲に思えてくるのです。

でも、あくまで5点中3.5点止まり的な、それくらいの微妙なポジションをキープしてくる感じです。

特に8曲目『某都民』における、深夜のお散歩みたいな空気の味わい深さ。

そこから続く9曲目『SSAW』における、掛け合いの楽しさ(タイトルは春夏秋冬の頭文字)。

そして10曲目『月極姫』。
月極+姫というインモラルな香りのするタイトルを付けられたこの曲は究極的なスルメです。

特にサビの林檎ボーカルに続くよく分からないコーラス(パパパラパ~♪ってやつです)が不思議で中毒性がヤバイです。
ハンドクラップもすごくいい(というか、ハンドクラップは大体において良いですけどね!ストロークスの12:51とか!)。

聴き込み用にはベスト

まぁとにかく、これから新作が出なくなるわけです。
せっかくですのでこれまでの作品にじっくり向き合ってみるのも良いかと思いますし、そんなときにはこの『娯楽』を候補に挙げてみるのも面白いですよ。

適当にBGMで流しまくっていると、ちょっとずつ良さが沁みてくると思いますので是非お試しください。
見限っている人も、今一度流してみると新たな発見があるかもしれないです。

なんだかんだで歌詞は林檎さんが書いているのも重要です。

『黒猫道』に歌われる孤高の生き方とか、まるで林檎自身の主義を投影しているようでいて、猫の気ままなお気楽さが反映されてて堅苦しくなくって、すごく良いです(そして、繰り返しますがニャーみたいな声がさらに良いです;特にライブです)。

映像:神

これはこのアルバムに限った話ではないのですが、本作収載シングルのPVはどちらも神です。
林檎さんが可愛すぎる&美しすぎる。

ブラヴォー!

完全に彼女自身が見せつけるつもりでいることもうかがえるのですが、ひれ伏すのみです!

う~~ん。
やっぱり惜しい存在を無くしてしまったなぁと思わずにおれません。

その後こんな記事を書いてしまっていたりします。
憂いよさらば!

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