中田さんがくれた曲で初めて感情的な表現が入ってる、なんてあ〜ちゃんが言ってましたけど・・・
それどころじゃない。
日本の音楽史上非常に稀な、珍しいくらいにレアキャラの、本物の「愛してる」。
それが、Perfumeの『コンピューターシティ』に出てくるものです。
言うまでもなく、愛してる、なんてJ-POPでは掃いて捨てるほどありふれています。
でも僕は確信を持って言えるのです。
『コンピューターシティ』のはそういうのとは全然違うものだと。
コンピューターシティ
Perfume
2006/01/11 ¥250
ここでは初めて芽生えた感情として出てきています。
そして当時高校生だったPerfumeにとっては、言い慣れない上に自分たちの歌としては初めて登場する「愛してる」でした。
このニアミス的な微妙なシンクロが「愛してる」を本物にしています。
どちらも、言い慣れていないけどなんとか伝えようとする「愛してる」だという点で共通してしまっていて、聴く人間にはその区別は困難です。
これが出来るのは、最初の一回だけ。
中田さんはPerfumeの「初めて」をコンピュータシティで奪ってしまったのです。
しかも、奪うと同時に永遠化させてしまうというとんでもない離れ業を発揮させて。
この、「初めて」の「愛してる」は、使い回されて陳腐なものと化したそこら中にありふれている「愛してる」とは明白に違っています。
芝居がかった演出は皆無、熱唱するでもシャウトするでも無く、無色透明に歌われる生まれて初めの感情。
これこそが、人工的に作られて計算通りに動かされていたアンドロイドが初めて発した、本当の「愛してる」そのものです。
そして本物の言葉は、作り物の言葉と違って心に響きます。
コンピューターシティのすごさは本物の言葉を使った曲だったということにあると思います。