Grimes “Be a body”
Grimesの『Be a body』は肉体的な感覚や精神を排除して物体としての自分に至る歌だと思います。
見えるまで目を閉じるという不思議な歌詞が何を意味しているのかを考えてみました。
seeの定義にはずらりと「by the eye / sight」とあって、視覚による把握を指している動詞のはず。
が、Grimesは「see」するまでその視覚を遮断すると言っています。
その理由として僕が考えたのは、視覚を信用していないか、視覚が認識の邪魔をすると思っているかのどちらか、または両方です。
ところで。
視覚を遮断するという行為、最近研究していた曲でも出て来たような・・・
視覚による邪魔を排除しようと、目を閉ざしていた女の子たちの歌が、ここで繋がりました。
Perfume “Spending all my time”
先日のMステ特番ウルトラフェス2016で、Perfumeは『Spending all my time』のオリジナルバージョンをライゾマの新しい演出で披露しました。
ライゾマの演出は見た目的には美麗ですが、意味や必要性はよくわかんないことが多いです。
でも今回の演出は、スペンディングの女の子たちの孤独を際立たせていてとても良かったと思います。
足下の鏡像シルエットは共存すれども交わらない、平行線で表現されています。
そしてこの反転画像はもろく崩れやすい。
ぐらつく足場。
で、目をふさぐかしゆかとのっち。
去年の6月にテレビでやったときの、温かい血の通った肉体による人間的なスペンディングから一変、よりオリジナルに近い凍れるスペンディングでした。
採用している技術は新規のものでしたが、スピリット的には原点回帰と言って良いように思いました。
Grimes “Be a body”は、スペンディングの前夜の物語とも位置づけられそうです。