偽Perfume

【Perfume】Spending all my time考察②涙目くらいがちょうどいい

スペンディングの振り付けは執拗なくらいの繰り返しで出来ています。

それを、「独特すぎて目が離せない」などという責任放棄も甚だしいレビューをしやがったのが先日のMステ「プロが選んだ振付がすごいJ-POPランキング」でした。

スペンディングが3位

スペンディングはこのランキングで3位受賞。オリンピック閉会式で名声の高まったチームで常時運営されているPerfumeなのでこの上位入賞は当然とも言うべきものでしたが、番組による解説はただの動画垂れ流し、全く踏み込んだ解釈をしないという侮辱に近いものでした。

確かに、スペンディングの振り付けで一番感動的なのは番組の紹介でもあったように、中央に膝立ちしたあ〜ちゃんの目、耳、口を代わる代わるのっちとかしゆかがふさぐところなのは間違いありません。

また、棒立ち(膝立ち)のメンバーに対して他の二人が動作するというのはPerfumeのあらゆる振り付けのなかでも異様なものです。

これが何を意味するのかが今回のテーマです。

防衛本能

スペンディングは冒頭から最後まで、何度も何度も目、耳、口を隠す動作が入ります。

その基本形は、「自分でふさぐ」です。

ラブワのジャケを初めとして、このいわゆる三猿のポーズはPerfumeで何度か出ているものです。

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三猿というと、「見るな聞くな話すな」というありがたい教え的意味合いがあります。

ですが、スペンディングにそんな上から目線での説教なムードはありません。

むしろ造られた存在であり閉じ込められているイメージで作られたPVから考えて、「自分でふさぐ」振り付けの意味合いとしては、七尾旅人ルイノンの「涙」の役割を連想させます。

ルイノン
七尾 旅人
1998/11/21 ¥250

ここでの涙の役割は「自分を守る」ことだと思います。

ともかく、スペンディングで何度も何度も出てくる「自分で自分の目・耳・口」をふさぐというのは、そこから入ってくるものがあまりに多すぎて自分を圧迫してしまう事に対する自己防衛の意味があると思います。

あ〜ちゃんを守るスペンディング

そしてこの自分の殻に閉じこもった状態を越える場面が、のっちとかしゆかがあ〜ちゃんに働きかける例のシーンです。

自分で自分を守るために、目・耳・口をふさぐというのと、
他人の目・耳・口をふさぐ
というのでは意味合いが違ってきます。

CDTVのライブを見るとあ〜ちゃん、のっちが歌い合って、

かしゆかとのっちが歌いかけながら、

あ〜ちゃんの目・耳・口をふさぎます。

のっちとかしゆかが、あ〜ちゃんを離さないために、あ〜ちゃんの涙の代わりをしているのがこの場面の意味するところだ思います。

これも愛の一種に違いありません。

ただし、心を閉ざしたものどうしという、ちょっと尋常じゃない設定での愛です。

どうだMステ。

ニワカな僕でも、「独特すぎて目が離せない」なんて解釈丸投げしないで答らしきものにたどり付けたぞ。

Spending all my time
Perfume
2012/08/15 ¥250

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