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秘密

サーティワンでカップアイスを購入した直後、レジを離れようと思った僕は大事なことを思い出してレジに戻りました(注:これは僕のみた夢です(^ー^;)。

キャンペーン

そう、今日はキャンペーンの日でした。

こちらからの申告でおまけを付けてもらえる日です。

レジに戻ったところ、忙しそうにしているあ〜ちゃんが僕を見て「どうしたの?」と満面の笑み。

う〜ん、天使すなあ。

僕は先ほど買ったばかりのカップアイスを見せて、「キャンペーンのこと忘れてたから」と言いました。

あ〜ちゃんは作業を続けながら、にんまりして「ゆかちゃんがいいんでしょう?」と。

天使様から、悪魔の誘いきた(^_^;)

僕は多少ためらいつつも、「できれば!」と言いました。

そうこう言っている間にもあ〜ちゃんの後ろではのっちがアイス作りに会計にお客さんのキャッチにとてんてこ舞いでした。

12階か13階

あ〜ちゃんは「今かしゆかは工房にいるからLINE送っといて」と言って仕事に戻りました。

僕は出来ればあ〜ちゃんからメッセージを送って欲しかったものの、かしゆかに会えるということで緊張しながらもLINEを送りました。

といっても、キャンペーンの話を全面に出すのはなんとなく憚られ、今ちょっとお邪魔してもいい?的なボヤかした感じにしました。

反応はあまりよろしくなく、乗り気でない返答が来ました。

そこで挨拶だけでも、と粘ってみたところ「来るの自体は別に構わない」と言ってもらえました。
場所は12階か13階とアバウトな説明。

部屋番号は?と聞いてみるとそのフロアにはかしゆかの工房しかないとのこと。

僕はそんなやりとりをしながらエレベーターに向かいました。

エレベーターの前に来て一安心、エレベーターは12階には止まらず13階にしか行けないことがわかりました。

建物は46階まであったので、かしゆかが自分のいる階を覚えてないのも確かに無理はないと思いました。

かしゆか工房

13階についてみるとそこは駅になっていてちょうど電車がついたところでした。

渋谷に突っ込む銀座線みたいに線路が突っ込む様子を何かの写真で見たのを思い出しました。

こりゃ相当高級なマンションだと思いました。たくさんの人が行き交う改札やショッピングフロアを通り過ぎて僕はかしゆかの工房を探しました。

途中壁一面の大きな窓があって13階だけあって眺めは素晴らしいもので、曇り空だったものの随分遠くまで見渡せました。

そこを通り過ぎてもう少し行くと黒地の板に白い手書きの筆で「かしゆか工房」と書かれた小さな看板を発見し、「関係者以外立ち入り禁止」と書かれたドアをノックすると「はーーい」と間延びしたかしゆかの声が聞こえました。

ドアの奥は通常のマンションの部屋のように玄関があって廊下があって、その奥に巨大なリビングがありました(なんせ、天井が異様に高いので広く感じました)。

新しいマンションの、ワックスのきいた匂いがしました。

20畳以上ありそうなリビングの一角にはブースがあって、かしゆかはそこに突っ伏していて工具を握ったままの手をこちらに振りました。

ブースの壁面には「Perfume」と「CITIZEN」のロゴが無限大のマークで繋がれていました。

そう、かしゆかはここでPerfume時計を作っているのでした。

僕が近づきながら、このPerfumeとCITIZENの並びは格好いいね、というと、かしゆかは「JASRACも足しとかないと怒られるかもね」と笑ってブースから出てきました。

素人職人

かしゆかは僕をリビングのテーブルに付かせて、水でいい?と言って爽やかなグラスに澄み切った水を出してくれました。

僕はキャンペーンのサービスのために持ち込んだサーティワンのアイスを、お疲れモードのかしゆかに差入れだといって渡しました。

「やったー」と言って喜ぶかしゆか。さっそく食べ始めて、良い感じに溶けてておいしいと笑ってました。

その笑顔ときたら…

天使のあ〜ちゃんとはまったく違う、悪魔的な何かでした。

アイスに集中するかしゆかはこちらの視線など気にもとめてないようだったので、僕は遠慮なくかしゆかを見れました。

するとそこには、悪魔的な可愛さとは別の、職人としての勲章が見てとれました。

作業中は髪を押さえつけていないといけないようで、艶々ストレートの前髪は縮れてしまっていたのです。

寝不足がたたったのか、そんなくたびれた前髪の下のおでこには小さなできものがいくつかありました。

しばらくテレビは出れないかも、と心配になりました。

アイス以外にも、何かかしゆかをねぎらうことはないかと考えて、少し質問をしてみました。

「どう?時計作りは」

Perfume時計は注文が殺到したせいでメンバーも作成に関わっているとは聞いていました。

かしゆかは精密さをもとめられる内部の調整を担当して工房を持つようになったとファンクラブのスタッフブログに書かれてからもう数ヶ月。

かしゆかのことだからもうだいぶ慣れてきたのではないのかな?と思いました。

しかしかしゆかはアイスを頬張りながら不満そうに呟きました。

「所詮無資格の素人だから、全然」

先ほどブース内部をチラ見したところ、職人が使う片眼用のルーペやピンセット、ブラシの類が見えました。

かしゆかはアイスを食べながら色々と時計作りの苦労を聞かせてくれました。

時々あくびをしながらも、かしゆかは止まらず話してくれました。

一生懸命なかしゆからしい、精一杯時計作りに勤しむ日々が垣間見えるような話しぶりでした。

最初は手が止まってアタマで考える時間が多かったこと、アタマで出なかった答えを手を動かすうちに掴めるようになってきたこと、出来ることが増えると同時に出来ないことの多さを知らされること。

でもようやく第一号がそろそろ完成しそうだということでした。

そう話すかしゆかは、まるで我が子を慈しむ母のようで、悪魔的可愛さを振りまくばかりではないかしゆかの奥行きを感じました。

時計であって時計でない

「みんなに届くのはコピーだけどね。素材も金属じゃなくてプラスチック」

大量生産するためのコピー元をかしゆかは作っているという。手製のオリジナル品はどうなるかというと、ファンクラブで景品としてプレゼント予定とのこと。

一個しかないから、当てるのは至難の業。

「時計を既に買ってる人のところには同じ時計が2種類届くわけだ」

「そう。でも、私が作ったのは素材は良くても機械としては壊れやすいから、時計というよりはオブジェとして使ってもらうように但し書きがされるよ」

「バレンタインのチョコプレゼントに「食べないように」って但し書きがされたみたいに?」

「そうそう!」

霧雨

多少会話も弾んできたものの、やはりかしゆかはお疲れでした。

くたっとしていて笑顔も眠気が混じったものです。

もっと一緒にいたいけれども、あれだけ愛情こめて打ち込んでる時計作りの邪魔もしたくありません。

僕はその場を去ることにしました。

「ありがとう、色々聞けて楽しかった」

僕は食べ終わったアイスのゴミを元の袋に入れて立ち上がりました。

かしゆかは「ン」と頷いて立ち上がって見送りに来てくれました。

リビングを出る前に、見晴らしの良い眺望をもう一度見ておこうと窓を見てみるといつの間にか雨が降り出したようで景色はくすんでいました。

羽織り物をしたかしゆかが横に来て言いました。

「今度来たら内蔵オルゴール聞いてって。未来のミュージアムとかDream Fighterとかほんとびっくりだよ」

廊下を抜けて玄関まで行って、靴を履いたところで振り返ってもういちどありがとうと言いました。

するとかしゆか、はにかんだ顔でこちらを見て言いました。

「アイス、キャンペーン欲しかったんだよね」

「あ」

「気使って差入れって言ってくれた?」

「ま、まあ・・・」

開けかけたドアの向こうからは、外の雨音が聞こえてきていました。

さーさーさー。

雨は、もっと激しくなりそうな雰囲気でした。

秘密

1階サーティワンでは客が引けて暇になったあ〜ちゃんとのっちが談笑している。

と、不意に空間が割れて、そこは舞台のセットでもう半分は客席と化す。

あ〜ちゃん、のっちは立ち上がってゆっくりと客席の方へとむかう。

二人ともマイクをもっている。

ライブのMCのように、観客の歓声が鎮まるのを待ってからあ〜ちゃんが切り出す。

「いいでしょう、夢の世界って。自由で。」

天使の笑みを見せるあ〜ちゃん。

隣ののっちも頷いて続ける。

「このあとのことは・・・あなたとゆかちゃん、二人だけの」

たっぷりと間をおいて、あ〜ちゃんとのっちは目を合わせて笑う。

そし2人はウィンクして言う。

「秘密!」

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