アマゾンから来るメールの中で可愛らしいタイトルの作品が紹介されてました、その名も「幸せスイッチ」(^-^)
幸せスイッチ☆キラーン
僕はアマゾンでPerfumeのCDやDVDを買うので、そのつながりでどこかのアイドルの新曲かなんかの紹介かな?と思いました。
幸せスイッチがあればいいのに!
みたいな、女の子の悩み事かなんかが歌われる無害なものを想定しました。
ところが、よく見ると「幸せスイッチ」は音楽ではなくて本。
そして作者は、”小林泰三”。
印象大逆転(^_^;)
どっかで見た気がするけど、誰だっけ?とググってみると…
代表作:玩具修理者
幸せスイッチ、もはや嫌な予感しかしねえ!!不思議!
そんなわけで、本屋の店頭でゲットしました小林泰三の新作短編集、幸せスイッチから特に面白かった二編の紹介です。
怨霊
いかついタイトルだというのにテンポよく読み進められる楽しい短編。
10分くらいで読めちゃうのでこれを立ち読みで完読してみるのもアリです。
内容は怨霊に怨霊をぶつけるという、ホラーというジャンルを軽くバカにしたようなものです(^_^;)
でも僕は好きです(^-^)
リングの貞子に呪怨くんをぶつけてみたら、とかよく妄想してみるので、そういうこと考えてニヤニヤするような人にはオススメです。
にしても、まさかラストにあのネタを持ってくるとは…超有名なある絵本のネタが堂々とパクられるラストは見ものですよ(^-^)
幸せスイッチ
当初はキュートでポップな印象を与えていたのに、作者の名前が付加されることによって全く逆の印象に逆転してしまったすごいタイトルです(^ー^;
ストーリーは予想通りに、決してポップでもキュートでも無く、残酷で気分の悪くなるようなものなのですが・・・
これは面白かったです。
幸せと不幸せ、それぞれが人間に及ぼす影響について、一般常識を逆転させる内容を含んでいます。
一般常識では、幸せ→良い状態、不幸せ→悪い状態だろうかと思います。
が、本作では幸せ→危険、不幸せ→尊厳みたいな逆転がみられるのです。
話じたいはあまり良くないというか、読後感も悪い(^ー^;んですけど、一読の価値があると思います。
求む一押し
全六編のうちの二編はこのように面白いものでした。
が、残り四編は駄作ではないもののちょっとパンチが弱かった印象です。
表紙の帯には「五人の春子が辿る数奇な運命」とあり、各編で同姓同名の登場人物が出てくるものの、その特殊性は生かし切れていないと思いました(ただ同姓同名が出てきただけだった気がします)。
そして最後を飾る「哲学的ゾンビ」が、哲学的ゾンビの定義以上の何かを語っては居なかったのも物足りなさの原因だったかと思います。
そんなわけで、大満足ではないものの、隙間時間をちょこっと楽しくはさせてくれた「幸せスイッチ」、取りあえずは冒頭「怨霊」だけでも読んでみてはいかがでしょうか?(^ー^)