偽Perfume

同性愛こそ純愛な気がしてくるブラックキッズの"I'm Not Gonna Teach~

同性愛に真の純愛を垣間見てしまいました。

試練の恋愛スタイル

僕は異性愛者としての人生しか歩んでいないので、同性愛ってよく分からない世界です。
でも、小説や歌ではテーマにされることがときどきあります。

そういうのに触れて思うのは、社会の通念上普通に付き合ったり愛し合ったり出来ないという制限のある同性愛というのは、お互いの本気度が試される恋なのかもしれない、ということです。

異性愛だと何も試されないとは言いませんが、仲がよい年頃の男女が何かのきっかけで付き合いだしたりするのに不自然さを感じる人はあまりいないと思います。

一方、同性相手にそういう予想はまず大抵の場合誰もしません。
だから、半端な思いであれば同性の恋は勝手に消滅していくと思います。

純愛を描ける?

だから僕は、同性愛というのは、ジャンルとしてはそっちの人向けというよりも、作者が純愛をいかに表現するかと苦悩した結果に出てくる必然的帰結のように思えます。

たとえば、次の歌詞を見てみてください。性的嗜好に関係なく、キュンキュンしてしまうのではないでしょうか?

歌い出しで爆弾発言

Black kidsの”I’m Not Gonna Teach Your Boyfriend How To Dance With You “、まずはお聞きください。

I’m Not Gonna Teach Your Boyfriend How to Dance With You
ブラック・キッズ
2008/04/04 ¥250

イイですよね!開始数秒で恋に落ちる名曲です。

これ、歌い出しでいきなり爆弾発言があります。

You are the girl

で始まる一文をご確認ください。

この創意あふれる一文を見よ!ってくらいに良くできた文です。
英語って最初に結論をいうなんてよく言いますけど、こんな風に文末で全部ひっくり返す日本語的表現もあるんですね!

むしろこの文は和訳してしまうと消えてしまう部分に魂が込められている、非常に和訳しにくい文だと思います。

あなたは私が小さい頃からあこがれていた人

ではダメです。

youがgirlなのにIもgirlだというところにこの歌詞のキモがあります。

そう、この歌は女の子に恋した女の子の話なのです。

たったの一文でこの悲劇の恋のあらましがほとんど全て語られてしまう、ほんとに見事な詩です。

ポピュラーな恋の歌ではたどり着けない

この歌は女性である主人公が、自分の好きな女の子が付き合ってるらしき男に対して対抗心を燃やす歌です。

主人公自身女なためかは分かりませんが、どうやら分が悪いというか、どうあがいてもしょうがないのに黙っていられないというちょっと寂しい歌になっています。

もうダメだと分かっていても、叫ばずにいられない。

ホントにホントに大好きだった。っていう。

これを異性愛でやると、切なさがいまいちになってしまうと思います。

そういう展開や歌詞はあまりにありふれています。

が、同性愛を持ち出すことでこの恋の難しさ、かなわなさがリアルに感じられます。

気がつけば一緒に歌ってしまうような、かえってポピュラリティのあるラブソングになっていると思います。

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