妻とお買い物に出かけるためにぶらぶらしていると、元総理・菅直人が演説する声が聞こえてきました。
聴衆ゼロ
場所は地域の施設前にある広場で、人通りはほとんど無く閑散としていました。
途中で市長が施設へと向かっていったので何か催しがあったようで、その来場者相手への演説をしにきたのでしょうか?
駅前で無くこのような場所で元総理を見るのは、時代の変遷というか、菅氏がもはや遅れをとった政治家であることを思わせました。
ただ、とりあえずは僕らが小選挙区で選べる候補者の一人に違いはありませんので、立ち止まってしばらく聞いていました。
取り巻きの人がビラを渡しに近づいてきたものの、菅氏本人に声をかけられたりってことはなかったので地味なご報告です(^-^;
妻はズンズン近づこうとしていたのですが、僕はなんだかんだチキンでした(^-^;
菅氏の主張
彼の主張は一言で言えば、自民党の候補者を阻止すべし、だったと思います。
その理由は、一つは集団的自衛権の行使を認める政権を放置すれば、いつか僕らの子どもたちも海外で戦争に行かなければならなくなる。
もう一つには、自民党に任せていたら原発再稼働が進められてしまう。
あと、民主党政権で多少上向いた景気が安倍政権になって株価上昇の陰に隠れて低迷していたことを言っていました。
なるほど…
個人的には、立ち止まって聞くほどでも無かったかな、という残念な印象でした。
食い違い
まず、僕としては候補者の方には「自分を国会に送ってくれたらこれをする」ということを語って欲しいという思いがあります。
誰々を阻止するために自分に投票を、というのは何とも後ろ向きな主張に思えてしまいます。
そして集団的自衛権や原発再稼働に関して、国政の重要問題だとは思うのですが、今回の争点としてはズレているように思われました。
社会保障と税収、これが今回の課題かな、と勝手に思っています(まだまだ情報収集中なので何とも言えないのですが(^-^;)。
気になったところ
一方、株価上昇の陰で景気は低迷しているとの主張は気になりました。
配布していたビラによると実質賃金は下がって個人消費は落ち込み格差が広がっているとあります。
実質賃金という言葉は僕は知らなかったのですが、ググってみると物価の動向を勘案した賃金の動向ということです。
労働者が労働に応じて取った賃金が、実際の社会においてどれだけの物品の購入に使えるかといった大きさ。
ウィキペディア「実質賃金」より
この数値に関しては厚生労働省がデータを公表していて、平成25年7月以降一年以上も前年比は下落し続けています。
7月には賞与増額のため低下幅が大きく改善されましたが、しかしマイナスに変わりは無かったようです。
そして30人以上の規模の数値が全体の数値を上回っていることから、小規模のところではさらに厳しい状況が予想されます。
ただ、第二次安倍内閣の平成24年12月以降、今年5月までは低落傾向にあった数値が改善傾向にあるようにも読み取れます。
株価の上昇によって、実質賃金の改善が見られ始めている、と言われればそんな気もしてきてしまいます。
個人消費に関しては総務省が発表しているようですが、データが非常に見にくいのでニッセイ基礎研究所のレポートを参照してみました。
これを見ると、消費税増税後確かに個人消費は落ち込んでいます。
増税は民主党政権が決定したこととはいえ、この消費の落ち込みに対する対応は安倍政権にも責任はあると思います。
格差に関してはジニ係数という値を参照するようなのですが、これについてはまた別途記事を作ろうと思います。
このように、菅氏の批判はある程度聞く耳をもっても良い点があると思われました。
ただし、これらの問題が脱原発と集団的自衛権への反対によって解決されるとは到底思えません。
なので、典型的野党の主張、文句を言っているだけにしか感じられないというのが僕の結論です。
実質賃金が下がり続け、個人消費が落ち込んでいる現状に対して、安倍政権はどのように間違った対応をしていて、菅氏というか民主党はどのような政策立案を行っていくのか、を語って欲しかったです。
菅氏はレースから脱落?
これで菅氏にはちょっと期待出来ない感じが強まりました。
本当は首相時代の検証とかもすべきなんでしょうけど、そこまで手が回りません(^-^;
そうなると後は自民党の候補者土屋氏と、泡沫であろう共産党候補結城氏。
んー。
とりあえず、今回の印象で確実に減点は付けることにはなりました。