普通青空に「ミスター」はつけない。
人じゃないものにミスターつけるとか子どもじみてない?
なのに、なんでわざわざ「ミスター」をつけてるのか。
のっちみたいなカッコいい髪型したはっとりさんは、何を考えてそんなことをしたのだろう?
すごく気になる…
ブルースカイは僕の思い?
歌詞の中ではミスター付きの「ブルースカイ」は登場しません。
ミスター・ブルースカイマカロニえんぴつ
2017/12/07 ¥204
ブルースカイ、一見すると人っぽくない形で登場しています。
たぶん普通の歌詞的にはブルースカイのところは「僕の思い」とかの方がしっくり来そうです。
とてもラフな解釈でお馴染みの、otokake.com様もそのように解釈されてます。そう考えるのが楽だし自然かもしれません。
が、僕にはこの解釈、結構違和感があります。
ブルースカイを「僕の思い」というか、「僕」から「君」に送るものとしちゃうのは…なんかこう、しっくり来ない。
作詞作曲のはっとりは、『ミスター・ブルースカイ』についてこのように言っています。
この曲は決して暗くなくて、笑って別れを受け入れるという内容の歌詞なんですよ。
今の心境がダイレクトに詰まった“別れ”のアルバム┃音楽ナタリー
それなら、ブルースカイが僕から君に届けるものだったら変でしょう。
別れを受け入れてるよりは未練たらたらに見えてしまうし、何故ミスターを付けたのかも不可解です。
この歌の天気は何?
otokake.comでは、この曲に出てくる人物は「僕」と「君」だと断定的に書いています。
それは違うと僕は思います。
出てくるのは、「僕」と「君」とあと一人。
第3の登場人物にして、最大の存在感を放つのが曲名にあるミスター・ブルースカイです。
え、違う?w
最初っから、「僕」の目の前には青空広がってますよね?
MVの、こんな透き通った青空とか。
素晴らしい祝砲のごときギターの轟音とか。
はっとりの、激アツな熱唱とか。
どこをどう見たって、いないわけがないと思います。ミスター・ブルースカイ。
途中、雨の歌詞があるにはありますが‥それは通り雨として一回出てくるだけです。
この雨が、「天気のこと」か「涙のたとえ」なのかはそれほど重要ではありません。
大事なのは、「ずっと雨」ではないということ。
つまりは、その前後には晴れ間が、ミスター・ブルースカイがいるって言うことです。
この歌での天気は、基本「晴れ」のはずです。
なぜミスター付きか
青空がこの歌の全体に渡って何度も姿を表していることは明らかですが、それではこのブルースカイがどうしてただのきれいな青空にとどまらずに「ミスター」付きで人格化されているのかに踏み込みます。
それは、鬱屈した現状に突如現れ一時的に救い出してくれた美しい空が、たぶんこの「僕」にとって、長い付き合いをしたくなる親友的な存在になっているからだと思います。
「僕」はなかなか抜け出せずに、苦悩しています。
この歌、歌詞だけ見るとずーっと苦悩してます。
別れを受け入れる必要があるのは分かってるのに、なかなか苦悩から抜け出せない。
きれいな青空を見て気分がよくなってそれで解決すれば良かったのですが、すぐに「僕」は涙を流してしまう。特に、青空の届かない暗い夜には。
多分、その辛さはずっと続いていくのです。
別れを受け入れても消えるわけではない。
でも、「僕」は笑っていたい。
だから、この物語は「僕が一人青い空に向かって君を嘆く歌」ではダメなはずです。
ミスター・ブルースカイという、颯爽と現れては「僕」を救うけれども、気まぐれで姿をくらます人物との、ある種滑稽な物語である必要があるのです。
ミスター・ブルースカイのすごさ
はっとりはこの歌を「決して暗くない」と言っていましたが、さりげなく「苦しみは消えないよ☆」と言ってるに等しいこの曲。
冷酷で身も蓋もない?
青い空1回見てすべて解決するような人にはそうかもね(;・∀・)
でも、何とかしようとしてるし、したいのに時々泣きたくなるような、少し弱さのあるような人には、すごく温かくて優しい。
むしろ、そういう人たちしか眼中にない?w
現実ってそういうもんだろ?だけど、それでも何とかやっていこうぜ?って言ってます。
ただただ美しい青空の下で、涙は止まらなくても笑おうとしている。
そういう人たちのために鳴り響く、轟音サウンドと熱唱。うまく行かなくても諦めずにもがく歌詞。
最高。マジで最ッ高。
空は晴れてて気持ちいいのに、どうにも気分が乗らない、引っかかってしまうなんてときには是非聴きたい。
そんなキラーチューンが『ミスター・ブルースカイ』!