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Perfumeが語る、“過去と現在”の心境が重なりループするシングル『Time Warp』と未来の1ページをめくるドキドキ感 https://t.co/Tkc9Wmn5jm pic.twitter.com/3ffpV1PWRH
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) September 16, 2020
去年のベストアルバム発売から今に至るまでとこれからを濃密に聞き取りした読み応えのある記事。
特に、Time Warpの中での「再現できないもの
完璧な 初めての感動」を覆すような?エピソードまでも登場。
面白かったポイントだけ抜粋して、ざっくりと振り返って見たいと思います。
かしゆか「今回リマスタリングしてもらったおかげで全部関係なく自由にセットリストが組めるようになった
ベストアルバムP Cubedを引っさげてのライブ、セトリに関してはファンからのアンケートを参考にしたというのは既に聞いていましたが、かしゆかがちょっとおもしろいことを教えてくれてます。
楽曲を中田(ヤスタカ)さんが全部リマスタリングしてくださったことも大きかったです。今まで過去のライブだとどうしても音源の差とか、10年前の音と現在の音だとやっぱり機材も違うしクオリティにバラつきがあって相性とかも気にしていたんです。今回リマスタリングしてもらったおかげで全部関係なく自由にセットリストが組めるようになったのは大きかったですね。
ドームのセトリだと10年以上前の曲はGAME、パーフェクトスターあたり。
ライブで全くやっていなくもないけど、毎回やっているわけではなく‥
P Cubed以前では古い曲は色々と制約があったのかもしれません。
ちなみに、個人的にレザビのカワイイポヨポヨ音?みたいのが今回のライブでかなり強調されてるように聞こえて、変態度がさらに上がってたように記憶してますが、そんなのもリマスターゆえ?
今回のセトリにどこまで影響したかは不明ですが、今後もP Cubed収録曲に関しては古くてもライブで取り上げられる可能性が高まると考えていいかも?
Time Warpの印象、三者三様
新曲Time Warpの解釈は3人それぞれ述べていて面白いのでこちらも引用します。
まずはかしゆか。
初めての体験って、すごい緊張感とドキドキで衝撃的だったりするけど、それを2回、3回と繰り返すと同じ感覚はもう味わえない。そんな中で、どれだけ自分がその状況を楽しめるかを歌っているような気がして。
繰り返しの中に喜びを見いだせるか?という、日常を打破するための歌ってところでしょうか。
なるほどなるほど‥かしゆかのストイックさというか、ひたむきさ出てる解釈ですね。
続けてのっち。
過去の自分も今も未来もそれぞれ自分はそのときを生きていて、そのときにドキドキできているから、「結局は今が最高」っていう歌なんだと私は思っています。「そういう考え方で生きていこうよ」みたいな提案をしているというか。
今僕個人も、のっちの見解が一番近い気がしてます。こうすると楽しいかもよ?みたいな。
特にのっちは、
無邪気な少年の心で歌おうって、楽しく歌いました。
とも言っていて、まさに僕自身それを感じたあたりからググッとTime Warpが身近で好きな曲になってきました。
最後にあ~ちゃん。のっち解釈に共感しつつ。
2番の<1ページを めくる時の気持ち 忘れない ドキドキしてたいの>って、本当に中田さんそのものだなっていうか、ここはすごく共感できました。「わかる! 言いそう! Perfumeこういうこと歌いそう!」みたいな(笑)。
中田さんへの信頼と、親近感みたいなもののある曲ってことですね。
そのまま次の話題へと繋がります。
中田さんとは長くやってるのに掴みきれない
のっちは自分の判断で楽しく歌ったみたいなことを言っていましたが、あ~ちゃんが言うには中田さんからは特に指示なし。いつもどおりに。
こんなに長くやってるのに、掴み切れないというか、言葉をほとんど交わさないので。でも、その中で阿吽の呼吸もたくさんありますし、探りながら歌っているところがあります。
歌い方は聞くものではなく感じ取るもの、とも。
つまりは歌い方には3人なりの解釈が入り込んでて、それは暗黙の了解というか、何なら許可されてるような状態になっているのかも?
カップリング「再生」問題
本人たちは今回のシングルが「再生」との組み合わせになっていることについて、あまり意識はしていなかったようで、この組み合わせ問題について突っ込まれて少し驚いていました。
――カップリングは昨年リリースされた配信曲「再生」ですが、「Time Warp」と「再生」はどんな関係だと思って聴けば良いでしょうか?
あ~ちゃん:ああ~、なるほど。
かしゆか:面白い、初めて訊かれた。
ちなみに僕も、この組み合わせはなんぞや?!とめちゃくちゃ頭を悩ませましたw
かしゆかは共通点を挙げてくれて、
どっちもものすごく底抜けに明るくて、両方の曲がこんなに明るいのは久しぶりなんじゃないかな?
なるほど…興味深い。
再生には暗い背景がある可能性がなくもないですけど、基本主張は底抜けに明るい。と考えると、確かにTime Warpと繋がります。
そして2つが合わさることでお互いの響きが増す、と。
まだ合わせては聴いてなかったので、今度聴いてみようかな?!
再現できないはずの完璧な初めての感動の再現
そして話題は去年のコーチェラ・フェスティバルへと及び、あ~ちゃんがたいへん興味深いことを、多分無意識に言っています。
最初に私たちがステージに出て行ったときはお客さんがまばらで満員とは言えなくて、「あ、ヤバいな」って思う気持ちと、「いや、負けない! 私たちは3人だ!」って熱くなる気持ちがありました。
(中略)
自分たちに興味を持ってくれるお客さんが増えていくのが目に見えて、【SUMMER SONIC 2007】で初めて夏フェスに出たときの感覚を思い出しましたね。
初めて夏フェスに出たときの感覚を思い出しました、ってところ、すごく面白いと思いました。
Time Warpの歌詞にある、「完璧な」をつけていいものかまでは微妙ですが、初めての感動をまだまだPerfumeは思い出せているし、繰り返せているのかもと。
一方で日本のドームライブに関しては、コーチェラと比べると慣れというか、再々体験を重ねてる感を語っています。
のっち:これは客観的に後からDVD、Blu-rayの映像チェックで感じたことですけど、ドームに対する緊張感が薄くなっていて、「ああ~、大きくなったな」って自分で思いました(笑)。もちろん緊張はライブごとにするんですけど、ドームへの気負いがなくなったというか。
でもそうかといって、そこには新たな地平が広がっていて、できなかったことができるようになっているとかしゆかも言っています。
本当にお祭りみたいに一緒に楽しんで「今までありがとう! これからもよろしくね!」みたいなことを伝えるつもりのライブだったので、気持ちは軽くてすごく楽しかったです。
このような心境変化、コーチェラでの緊張を並べて見てみると、Perfumeは今も次の1ページにドキドキし続けているwあ〜ちゃんが言っていた「わかる!」は事実に基づいていたのです。
見事にTime Warpの歌詞とシンクロwインタビュアーもすかさず指摘しています。
――それこそ、<1ページを めくる時の気持ち 忘れない ドキドキしてたいの>ということですよね。
かしゆか:そうですね。今でもこうやってすごくドキドキして、成功するか失敗するかわからない未知のギリギリのところに挑戦できる場面とかステージを用意してもらえるのは本当に嬉しいです。
そしてこんなことをし続けているPerfumeだからこそ、コロナ以降の制約が増えまくった状況に対しても、進化の機会なのかもとのっちは語るし、変わらない大切な部分はそのままにこれからも変化していきたいとかしゆかはしっかりと言ってくれていました。
以上。この記事をお供にすれば、Time Warpの旅を一層楽しめそうです。