ちょいと古い話になります。
[Alexandros]の『ムーンソング』って、ネットだと悲恋の歌みたいな解釈が主流?な印象を受けました。僕はそんなのとは全然違う意味合いを感じてます。月は例えではない、メインテーマだと思うのです。
ムーンソングが悲恋の歌じゃないっぽいところ
というのも、悲恋を未練たらしく歌うなんてイケメン揃いの[Alexandros]はしなさそう、というのが一つ。
Perfumeとの写真。
こんだけかっこよさそうな人たちが、そろいもそろって終わってしまった恋を嘆いたりするだろうか?というのが最初の違和感です。
ちなみに、雑誌とかは見れていませんが、ネットだと作った本人のコメントでこんなのを見つけました。
これは夏に作っていたんですけど、なんかね、自分が疲れた時に歌いたくなる曲を作ろうと思って作っていました。
疲れたときにはどんな歌を歌いたいですかね?(^ー^;悲恋、なんてことはまずないと思います。
ネットでの「ムーンソング」レビューで、以上の2点、本人たちの格好良さ、及び本人のコメントはあまり取り上げられず、歌詞の言葉を追うことに躍起になっているように見受けられました。
ムーンソング新解釈
そこで僕の見解の出番です(^ー^)
これって、たぶん夜に色々あったときにふと目に入った月が、すんごいキレーでめっちゃ感動したって歌だと思います。
PVにも歌詞にも、月は最初の方ではほとんど出て来ません。
最後の方に偏って出て来てます。
そして、暗闇の中で彷徨っているような、くらーい映像と歌詞がほぼ全編を貫いているというのに、音楽はイントロから感動的なくらいに格好良く、ポジティブなオーラに満ちています。
歌詞に出てくる「恋」関連には、そんなポジティブ感に繋がりそうな要素は全く出て来ません。
この歌の中で、唯一前向きに捉えられるものがあるとしたら、それは最後に出てくる「月」それ自体以外にあり得ないと僕は思います。
明確に「月がすごかった」なんて歌詞は出て来ません。
けれども、最後に月が成り上がる対象としてもの凄くいいもの、ポジティブなものとして突如君臨しています。
月って、太陽の光を反射して光っているもので自分で光ってるわけではないですから、成り上がるものとしてはあまり取り上げられない気がします。
それでもここでは、「月に成り上がろう」で締められています。
どうして途中ほとんど登場しなかった月がいきなり玉座に君臨しちゃったのか?
それって、もう単純に、そのとき目の前か、ふと見上げた先かに月があったからとしか思えません。
こんな登場の仕方が出来ちゃうのは、月ならでは。
この曲が『ムーンソング』だというのも納得です。
そしてこの考えなら、イケメン揃いの[Alexandros]が全力で歌って演奏してるのもおかしくないですし(月のすごさは万人に共通している感覚でしょ?)、「疲れたときに歌いたい」にもマッチします。
Perfumeも、ナカーマ
余談ですが、歌のテーマとして個人的な思いを超えて「自然すげえ」を歌うのは結構異端だと思います。
詩とか俳句では普通でしょうけど(^ー^;
大体は、自然をダシにして自分の感情を歌いたい、というのが基本的流れでしょう。
そういった主流に完全に背いている『ムーンソング』はとってもカッコいいと思います。
ムーンソング
[Alexandros]
2016/11/09 ¥250
でも、似たようなことしている、というか、していた例を僕は他にもう一つ知ってます。
それが、Perfume『Twinkle Snow Powdery Snow』です。
こっちは「雪降ってる空きらきらしてすごく綺麗!」が、個人の思いを押しのけて全面に出てます。
かわいい名作です。
Twinkle Snow Powdery Snow
Perfume
2007/02/14 ¥250