なんじゃこりゃあああ!!!
正直、領土問題とか地政学的な話が読みたくて手に取ったこの小説。
写真家兼画家なアーティストを巡る物語?ルポ?的なよく分からん構成の小説なのですが、衝撃的なほどに面白い。
なんといっても、冒頭3ページくらいのプロローグ的な部分が強烈過ぎました。
つまりは芸術家が作品を創り出し苦悩するシーンを描いているのですが、常人離れした芸術家の思考にまんまと入り込ませてくれるニクすぎる演出に吹きました。
アーセナル、だのバフェットだのといった現代の実在するモチーフを振りまいて、軽快に物語は現実と虚構をするすると通り抜けていきます。
ひょいひょい時間軸を行ったり来たりしつつも、個別エピソードが面白すぎて全然置いてけぼりにならないしむしろ食いついちゃって離れられません。
なんかこういうぶ厚い小説にドップリはまるとページをめくるのが楽しくてたまりません。
気付いたら厚みを増している、既に読んだページの束が気持ちいい。