かくいう僕も、この曲の入ったアルバム『Halfaxa』(いったいどんな意味なんですかね?)は初めて聴いた時数秒でスルーしようと思いました。
呪術のような儀式のような
Grimesの最新アルバム『Art Angels』とその前のアルバム『Visions』はパッと聞いてすげえ!と思わせるクオリティがありますが、それ以前のアルバムはあんまりパッとしないように思われるはずです。
少なくとも、普通にロックとかポップス聞いてる人からすれば、この音楽未満とも言うべき不思議な音の集合体に面食らうはずです。
美しい声は入っているものの、歌というよりはささやきとか呟きみたいなものでキャッチーとはとても言えません。
実験的というのか、模索しながら色々とやってみている感じで、完成前のデッサン集みたいな印象がありました。
そんなわけで軽くスルーしてたのですが、『Art Angels』と『Visions』を聴きまくりすぎて他にもGrimesを聴きたくて聴きたくてたまらなくなって流してみたところ、地味にハマってきてます。
僕が今好きなのは、セカンドアルバムの『Halfaxa』、特に『My Sister Said the Saddest Things』です。
My Sister Said the Saddest Things
なんとも説明しがたいのですが・・・
なんか面白いリズム使ってるなーと思って聴き直してたらどんどんハマりました。
歌は祈りの言葉のように単純な構成で繰り返されて叙情性はとても希薄です。
それでいて音楽は起伏があってそこまで平坦ではありません。
自分の英語力のなさが悔やまれるほど、この曲にはストーリー性を感じます。
オススメの楽しみ方
で、この曲は一曲切り出しても魅力的ですし実際僕もこれだけを何度もリピートしたりしてますが、ちょっと趣向を変えてアルバムで聞くのも面白いです。
特に10曲目『Swan Song』から11曲目『≈Ω≈Ω≈Ω≈Ω≈Ω≈Ω≈Ω≈Ω≈』を経ての流れでたどり着くとよりこの独特な世界観にのめり込めます。
ここまですんならアルバムで聞けよって話ですが、前述の通り最初っから聞くには非常にとっつきにくいアルバムでしたので、こういった迂回を経るのも悪くはないかと思います。
ってなわけで『Halfaxa』も実は良いと思います。