都心から外れたちょっと寂れた街の小さなライブハウスで、密かに行われていたパーティみたいな。
ロートレック的
パフォーマーの息づかいが感じられるくらいの客席との近さとか。
そんな場所での熱気や湿度なんかも。
今やスタジアムバンドみたいに巨大化したPerfumeが、メジャーシーンの隅っこで、ほとんどのメディアに存在を気付かれもせずに居た(若干言い過ぎな感がしますが(^-^;)頃の空気がほのかに残る名曲がありました。
そのアンダーグラウンド感ときたら、まるでロートレックの絵のようです。
通称「ションションメドレー」と呼ばれる「イミテーションワールド」および「カウンターアトラクション」です。
一曲目イミテーションワールドのイントロのコーラス、すっごくカッコいいですよね!
そっからの軽やかな展開とボソボソしたボーカルはまるでメジャーデビュー後みたいな雰囲気ながら、決して壮大に広がり過ぎずにさりげないです。
続いてのカウンターアトラクションもイントロが凄く良い、大好きです。
しかしこの抑制の効いた歌とバックの演奏の賑やかさときたらどうでしょう。
超絶テクニシャンのベテラン楽団をバックに何故か新入り風の女の子が真ん中で歌っちゃってる的な、不思議なムードが漂いまくっています。
ドキッとさせるような歌詞もまた魅力。これは木の子作ですよね?
ファンの間では未だに根強く愛されている有名曲のようですが、公式音源がなく(あるのはライブDVD『ファンサービスbitter』のみ)ライブでも滅多にやらなくなったために若干レアトラック感のある扱いになっています。
特殊な二曲
確かにこれらの曲に漂う密室感みたいのは今のPerfumeがライブをする会場には合わないのかもしれません。
呟くような囁きボーカル、ひたすら無心で踊ることを求めるかのような淡々とした、そしてそこはかとなく陰のあるサウンドはメジャーアイドルのものとはかけ離れています。
ヘヴィな歌詞を、良く意味が分かって居なさそうな(それ故いっそう意味深かつリアルな)あどけなさの残る女の子が歌うという、この時期特有のギャップも健在。
Perfumeがやってきたことはそもそも王道からは大分逸れていると思いますが、この二曲の外れ具合は突出してます。
ライブDVDの味わい
空気は深夜、プライヴェートとパブリックのどちらにも染まらない不思議な世界が開けます。
DVDで彼女たちのパフォーマンス込みで楽しむのもまたオツです。
リラックスして、何かお酒でも片手に堪能したいところ。
このDVDは作り手(編集)の気合いが若干空回りしている部分があるのですが、初DVDへの情熱と考えると興味深いというか憎めない感じです(^-^;