おもしろ厳選記事入口

コブクロゆず決定戦「永遠にともに」VS「いつか」

結婚

日本を代表するフォークデュオ、コブクロとゆず。今日はその2者を比較する形で、歌詞をレビューしてみます。
アルセスト的実直さで!

評価の定まった定番ソング比較

両者ともバリバリの現役で今も新曲が出ているかと思います。

今回の比較ではそんなに新しくはないものの、今もときどきどこかで流れている定番化した曲で対比していきたいと思います。

コブクロからは「永遠にともに」そしてゆずからは「いつか」を扱いたいと思います!

永遠にともに

コブクロの「永遠にともに」は結婚式での定番曲です。
有名なところでは陣内と藤原紀香の結婚式で陣内が歌ったようで、youtubeでその様子も見られます。

テーマは結婚。
コブクロが友人の結婚式のために書き下ろしたというエピソードがあるとか。

厳かな歌い出し、ぽつぽつと語られる二人のあゆみ、なかなか悪くないムードで幕を開けます。

永遠にともに
コブクロ
2004/11/03 ¥250

無駄な言葉を連呼するサビに愕然

けれども僕はサビの「共に」連呼の無駄さにはうんざりしました。
これは残念ながらガッカリ歌詞です。

共に歩き 共に探し 共に笑い 共に誓い

共に感じ 共に選び 共に泣き 共に背負い

共に抱き 共に迷い 共に築き 共に願い

そんな日々を描きながら

「まなざし」のサビに引き続き、再度ズコーッ!っとくるところです。

これだけ繰り返し同じ言葉「共に」を並べといてこんなにも中身が無いってのも興味深い。

「共に」の繰り返しに出てくる言葉が物語になっていることを期待しませんか?

とんでもない、ここにはただのそれっぽい言葉が特にこれといった意味も見いだせない順で並んでいるだけです。

「笑い」の後に「誓い」が来てて軽薄な誓いに見えてしまったり、「選び」の次が「泣き」でブザマにずっこけてる感じがしたり、「抱き」のあとに「迷い」が来ててえらく優柔不断だったり、ツッコミどころ満載です。

そして、てっきり「共に」やってきたことを並べているのかと思いきや、最後に「そんな日々を描きながら」。

この羅列されたもの、全部想像ってこと?

で、これから目指したいものってこと???またまたご冗談を…

はい、この歌の曲は結婚にピッタリだと思いますが詩は完全にジョークレベルだと思います。

繰り返しに物語性があるパターン

ジョン=レノンの『God』では「I don’t believe」の繰り返しが出てきます。

ジョンは「I don’t believe」という言葉につづけて色んな「信じてきたもの」を並べていきます。

それらを否定することで、一つずつ自分が信じてきたものを捨てていく様子が歌われます。

一つずつ自分の支えにもなってきたものを捨てていって、それで、最後にはどうなってしまうのか?

そこには一人の人間の壮絶なドラマがあります。とてもシンプルで音の種類も少ないのに迫力が半端ない。

God
ジョン・レノン
1970/12/11 ¥250

まあ、この曲の入ったアルバムは人類史上最高のアルバムの一つですから比較対象にしたらコブクロが可哀想ですけどね。

言葉の繰り返しはこのように演出としては非常に面白いものですから、せっかくやるならもうちょっと工夫を凝らしてみても良かった気がします。

コブクロ総括

肝心のサビがガッカリでしたのでタイトルの「永遠に」も白々しくなってしまいます(おまけに永遠で”とわ”なんて読ませちゃうという痛いことまでしでかしてます)。

後半ではさらにきれい事なんだけど中身のない歌詞が続いていきます。

日本語的にヘンでは無いですけど、そんなのプロなら当然です(プロなのに日本語変って人たちもいましたっけ(^-^;)。

悪い言い方をすれば商業的すぎる、イヤな意味でプロフェッショナルなところが鼻につきます。

残念なことに、よく耳にするコブクロの曲の歌詞にはこのようなクセが見られることが多く、せっかくの良い曲と声に対してもったいないことになっていると思います。

コブクロは人柄が良さそうな二人ですし、歌もものすごくうまくて(ゆずよりは絶対にうまいです)曲はいいものが多いです。
だから、あんまり否定的に論じにくいのですが、それでもこの曲の歌詞はダメ歌詞だと断言せざるを得ません。

いつか

さて、それではコブクロよりはキャリアが長いと思われる、ゆずはどうでしょうか。

いつか
ゆず
1999/01/20 ¥250

とりあえず、歌い出しから見てみます。

少しずつ街の風も冷たくなってきたから

風邪をひきやすいあなたの事が気になります

季節を感じさせる歌詞です!

人の心と季節の彩り・移ろいをリンクさせるのは日本語の伝統的手法であり、お家芸と言っていいです。

四季豊かなこの国の芸術家たち、文才のある人達は積極的に季節を作品に取り入れてきたことは今更理系の僕がウダウダ言う必要もないことです。

しかも「冷たい」はこのブログ的にタイムリーな単語です(^-^)

さて、このたったの2行だけの詩ですが、これだけでもう既に「永遠にともに」にはかけらも感じられなかった相手を思いやる愛情を感じられます。

街を歩いていて季節が移りゆくのを感じて、ふと「あなた」のことが気にかかる・・

普段からその人のことを考えてるんでしょう。
コブクロが「共になんとか~」をいくつもいくつも並べまくっても全く何も感じさせられなかったことを考えると、この時点で歌詞においてはゆずはコブクロより上手であると言えそうです。

決定打となる”2文字”

で、サビです。

いつか又どうしようもなく寂しくなったそのときは

何処にいても何をしてても駆けつけてあげるから

ありふれてる言葉なんて捨て去ってしまおう

何も要らない あなたがいる それだけが僕の全て

さすがにここまでされたら、コブクロにタオルが投げ込まれることでしょう。
見事なクリーンヒットによるゆずの圧勝です。

ゆずの歌詞は非常ににくい、センスあふれる言い回しがされています。

又(また)」というとても短くはありますが、事情を示唆して余りある言葉があるからです。
これによりちゃんとサビがピークになっているうえに、クサい言葉にも強烈な説得力を持たせてしまっています。

詩というのはちょっとした言葉でものすごい威力を発揮できる表現手段なのだと思い知らされます・・

これ、「又」が無かったら、途端に口先だけのコブクロみたいなきれい事になりかねません。

ところが「又」があることで、二人の間に既に何かあったことが分かります。
そして、駆けつけた実績を持っているうえで語りかけている構図になっています。

だからここでの約束は軽くない。固い決意を感じさせてあまりある表現になっています。

簡単なようでいて、このひと言「又」を入れられたかどうかによりゆずとコブクロの間には確実に超えられない壁ができていると言えます。

さりげなく、どこに居ようがすぐに駆けつけたいという想いが、歌い出しの箇所としっかり繋がっているところも見逃せません。
どこをどうとったって、歌詞に関してはコブクロはゆずに遠く及ばないと思います。

結婚式で歌うなら、是非ともこちらにしてください。
将来僕みたいなめんどくさい息子が生まれてきても、ぐうの音も出ません(^-^)

まとめ

コブクロの『永遠にともに』は、

  • 表面上キレイな言葉を並べただけ
  • ストーリー性がない
  • 日本語の表現特性や伝統を生かしていない

という欠点がありました。

一方のゆずの『いつか』は、

  • 季節の変化を絡めるという日本の伝統表現を取り入れいる
  • 歌い出しとサビがリンクするなど物語性がある
  • たった一言で重みを付加する表現ができる

といった、コブクロに無いすごさを持っていました。

今回はコブクロを反例に、ゆずの歌詞によって日本語表現のおもしろさの一角を明らかにできたと思います。

追記

実はもう一曲対比で紹介したい歌詞があります。

コブクロの「永遠にともに」は、友人の結婚式のために作ったというエピソードを冒頭紹介しました。

もう一人、他のミュージシャンで、同じく友人の結婚式のために作られた歌があるのを僕は知っています。

そして、それは・・恐ろしく、とてつもなく素晴らしい歌詞を持っているのです。

繰り返しますが、とてつもなくすんばらしいのです。

個人的にすべての歌詞のなかで一番好きかもしれません。

次回その歌を紹介してみようと思います。

せっかくテーマが結婚だったのに、結婚についてほとんど話せなかった鬱憤もそこで晴らせるはず。
そんなわけでこうご期待!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です